ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

大いなる助走

 

大いなる助走 (文春文庫 (181‐3))

大いなる助走 (文春文庫 (181‐3))

 

うーんおもしろい。とてもおもしろい。

この年代のこじらせワナビの日常なんて全然想像もできなかったわけであり、それがこういうユーモア溢れる文章で様々な人物の思考を戯画化しつつ語られると「いつの時代も人間大して変わんねーなー」という笑いが半分、「いやこの人たち本気で文学の効力に人生ツッコんでるぞ」という驚きが半分。人生に文学を、とか言ってる場合じゃねぇなコレ読もうぜ。

まあ各々の思考回路がきちんと描かれていて、それらが絡み合った地方の同人サークルが渾然一体となって生み出すどこにも行き着けない感じが最高に良い。それぞれの立場から導き出される当然の帰結としてのやりきれなさみたいなのがある。その根っこにはバカみたいな文学への傾倒というか信心というかがはっきりと見えていて、でも実は自分もそこら辺には大変共感していたりするので、まあコレはある意味しょうがない展開だしそうなっちまったらそうなるよなあ、なんて風に思わなくもない。大丈夫か。

にしても描写がキレキレだなあ。放屁。