- 作者: Robin Williams,吉川典秀
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/11/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どうもこの本に書いてある本のことを実践すると、デザイナーのdeの字も知らないの自分にもそれっぽいデザインができるらしい。4つの原則「コントラスト」「反復」「整列」「近接」。コレさえやればデザインの基本はオッケー、ってホントか? デザインってあのよく見る黄金比みたいなのとかぐるぐるしたり細かい模様を緻密に配列したり鮮やかな色使いをしなくても良いの? とか思いながら読む。
「コントラスト」色とか太さとか変えて差違を目立たせる
「反復」色とか絵とか共通点を持たせて全体のトーンをつくる
「整列」文章の位置を線で揃えてスッキリさせる
「近接」似たような要素を纏めて構造化させる
ふむふむなるほど。理屈はわかんないけど確かにその指針に沿うとなんかそれっぽく見える! コントラストはこうこう反復はこう、みたいな感じで実践例をたくさん目にしていくうちに、ん、あれ、もしかして、これらの原則ってもしかしたら「目立たせたいところを目立たせるため」に全力を尽くしてんじゃね? って風に見えてきた。個々の要素に統一感がなかったりグチャグチャだったり統一感がなかったりすると、咄嗟にはどこを見れば良いのかわからない。何かひとつを目立たせるためには、目立たないその他大勢が必要なのだ。コントラストのために、反復と整列と近接が必要とされる。
でもこの本に、肝心な「何を目立たせるか」について、絶対確実な指針はない。あるのは多数の実践例と、なぜそのような表現が機能するかの基本原則と、大量のTipsだ。
「名刺の文字は小さくてもいい」
「チラシはとにかく目立つものをおけ」
「パンフレットは構造化が重要」
表現媒体によってどの要素がどれだけ重要で、何を目立たせればいいかは変わってしまう。
名刺を作るときに、一番目立たせるのはその人の名前? 会社名? 肩書き? それとも実直なデザインであること? 遊び心があること? 大量の情報が羅列されていること? その名刺は、相手に、どのような印象を与えるのが一番大事なの?
それは何のために存在するのか? その存在意義を果たすために、最も重視しなければならない点は何か?
ふむふむなるほど、デザインってのはどうも、色を弄ったり形を整えたり見栄えを良くするための方法、ってわけでもないようだぞ……