ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

幼年期の終り

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

恥ずかしながらの今更名作読書。
以下雑感。
・表現できないものを表現しようとする挑戦に心打たれる。現代の人間にとって理性/科学は絶対の存在とされているが、しかし理性は同時に「今の人間の理解できないものが存在する可能性」も指し示している。語りえぬことを語る努力。
・そして小説はだけ理性が読むものではない。理屈は理解できないが、しかしあのラストシーンは心に響く。とんでもない情感をのっけて、彼らは向こう側へ旅立っていく。
・そしてこちら側に残される上帝は間違いなく自分たちだ。
・改めて見返して、最初の章に「人類はもはや孤独ではないのだ」って他者の発見が描かれているのを見ると、ひときわ胸に染みる。