ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ソードフィッシュ

ソードフィッシュ [Blu-ray]

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暴力&エロ&爆発という、まあなんつーかこれこそある意味正統派の娯楽映画だよね、という気はしないでもないのだが、しかし設定されたテーマのおかげで奇妙な後味が残る。
映画内でも「ハッピーエンド」への言及があるが、果たしてこのエンディングはどれほどハッピーエンドとしての説得力を持っていたのだろうか?
この映画はジョン・トラボルタを「本当の悪と戦う悪党」として位置づけたかったはずだ。観客は「悪人は倒されるべき」という動機と「こいつは悪いやつだけど、でもビン・ラディンを倒すために生き残って欲しい」の間で揺れ動くことで、ラストのどんでん返しが効果的に働くからだ。
ところが、自分は観ていてそんな板挟みの感情を抱くことができなかった。簡単に言ってしまえば、トラボルタの掲げる正義に全く共感できなかったのだ。それは映画がカリスマを描くことに失敗していたのかもしれない。言及が少なすぎたのかもしれない。
でもありそうな原因のひとつに、もしやこの映画を観ている観客の多くには、前提条件としてテロリストへの怒りが共有されているんではないかと考えたとき、ちょっと恐ろしさを感じたのだった。


以下雑感。
・プロジェクタ+PS3+BDで観る。DVDとの画質の違いに笑う。やっぱりすげえや。
・冒頭、「狼たちの午後」を引用しながらのOPがすばらしい。色々映画自体に文句はあっても、あのOPがあるだけで許せてしまうくらいだ。
・でもバスヘリコプターの下りはずっこけずにはいられない。いや、絵的にもエンターテインメントとして正しい「驚き」を提供してはくれるんだけど、ねえ。