ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

勇者と探偵のゲーム

 

勇者と探偵のゲーム (一迅社文庫)
 

僕らはいったい、どんな物語を語りうるんだろう?


絶対的な正義も悪も、リアリティを失った。
21世紀のこの時代に、努力と勝利の進歩主義を信じることは困難だ。

そんな中、物語は何を語るべきなのか?

ベタでネタでメタなストーリーが氾濫している。
だがメタゲームの向こうには無限後退があるだけ。
そこには何もない。

それじゃあ本当の物語ってなんだろう?

人は生きて、死ぬ。
それは恐らく物語の最も原始的な形であり、生に喜びを感じ、死に悲しみを覚える限り、人間は物語から逃れることはできない。

意味のない死を意味のないまま受け入れろだって?
物語を捨てる? 馬鹿な!

必要なのは、本当の物語だ。
誰かの借り物ではなく、納得のいく自分の言葉で、できるだけ誠実な物語を語ることだ。

それはきっと、誰かの借り物ではなく、納得のいく自分のやり方で、できるだけ誠実な人生を生きることなんだと、僕は思った。