ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アンブレイカブル

 

アンブレイカブル(吹替版)

アンブレイカブル(吹替版)

  • ブルース・ウィリス
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なんだこの変な映画? と思ったらシャマランだった。納得。ラストで監督の名前を見てここまで納得感のある話ってなかなかないよなーと思った。

いやしかし、正直たるい話だよなー。ラストの「どんでん返し」に向けて積んでいくわけだけれども、それもそんなに面白いかと言われるとそういうわけでもなく……というか、これだけ接近していて最後まで真相が見えない状況だったのはさすがにどうなの? ストーリーの都合がちょっと出すぎじゃないかなあ、と思う。

そしてまた、それまでの道筋が本当にたるいというか……いや、不穏な空気を積んでいくこと自体は全然悪くないと思うんだけれども、その行き着く先があまりにも予想通り過ぎて、良いから早く先に言ってくれ! となってしまった。父親が息子との絆を繋ぐために行為に出るあたりの展開も、あんまり上手くいってるようには思えない。

いやまあしかし、これ、サミュエル・L・ジャクソンじゃないと成立しない話なんだろうなー。ブルース・ウィリスとのコンビで結局のところ説得されちゃっている自分もいるわけで、この映画くらいキャスティングに負けたって気にさせられた映画はなかったです。

ザ・ボーイズ シーズン5

 

卑劣の極み

卑劣の極み

  • スティーヴン・ピゴッツォ
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今までもずっと現実の出来事を下敷きにしてきた作品だけれども、今回はさらにそのブラックジョークっぷりが加速してる感じがするなあ。特に今回は新メンバーのファイヤークラッカーの陰謀論の扱いなんかが露骨。スカウト時の「目的を売っている」というところで見せる判断力とかはホント痺れたなあ。

一方でシスター・セージはちょっと扱いが難しいところもあるなーとは思った。一応ラストで「全部計算の内」ということにはなったけれども、ホームランダーの気まぐれに翻弄されているように見えるところとか、ちょっとキャラの格付けが難しいよなあとは思う。あとキャラクターの目的がブラックボックスなのって珍しいよねえ。頭の良いキャラクターの描き方として、彼女が人生において何に価値を置いているのかがふわっとしているので、見方がなかなか難しくなるなあとは思いました。

しかしまあ、これはとことん有害な男性性に取り組む話だよなあ。ディープはここまで紆余曲折合ったけれども、結局ああいう扱いにするのカーという感じ。ブッチャーが死の淵からああいう復活をしたのはちょっと解せないところは正直あるけどね。フレンチーはちゃんと向き合える他者と結ばれて良かった良かった。あとアシュリーの生命力にはホント脱帽しますわ。

振り返るとちゃんとそれぞれのキャラクターに見せ場があって、連続ドラマってのはこうつくるんだなーってのを見せつけられる感じである。

妖怪ハンター

 

諸星大二郎って結構前から読んでいるんだけれども、なぜか、なぜか稗田礼二郎のシリーズは触ってなかったんだよなあ。看板シリーズなのにマジで謎。

ということでようやく読んだんだけど、いやー、相変わらずの諸星大二郎だなあ、という感じと、いやでもこれ稗田礼二郎のシリーズじゃなくてもいい気も若干するな、という気持ち。現にこのシリーズ、ラストではスピンオフみたいな感じで別キャラがメインになっているけれども、別にそれでもいいもんなあ。むしろキャラとしては、ジュリーの演じた稗田の方が立っているというか……いや、それは当たり前か。

限界集落の話がたくさん出てくるけれども、ギリギリああいう集落とそこに残った民話がリアリティを持ってた時代なんだろうなあ、とは思う。今だとさすがにちょっと距離が遠すぎるというか、テレビの中の出来事になってしまっていて、現実の人間が足を伸ばして行けるような距離じゃないよなあ、という気がする。川を下った湿地の集落とか、ちょっと今の日本じゃ想像力が働かないというか……あるところにはあったりするのだろうか?

まーしかし、諸星大二郎の絵は怖いなあ。産女の回とか、人間と同じサイズのでかい顔がヌッと出てくるとか、恐怖の描き方のレベルが段違いでさあ。不定形のクリーチャーも基本気色悪いし、こういう温度感を出せるのは才能だなあと思いました。

ウマ娘プリティーダービー season1

 

噂はもちろん色々聞いていたけれどもよーやく見た。ゲームはやってない。

なんつーか、世代がドンピシャなんだよなー。ダビスタとかで競馬が中高生にもリーチした時代があって、それこそタイキシャトルだのテイエムオペラオーだのエルコンドルパサーだのスペシャルウィークだの、そこら辺の情報はリアルタイムで追っていたわけで、それをこういう形でお出しされると色々思い出してしまうものがあるよなあ。

っていうかサイレンススズカの話はズルいよ。欅見えて「あっやめて……」って声でちゃうもん……。あの時の信じられない感覚が、どうしても蘇っちゃうもんなー。Season1で、予後不良にならずに復帰したサイレンススズカを描くというのは、そんなん視たいに決まってるじゃん!

まーしかし、シナリオ自体はなかなか難しいところもあるよなー。ライブの位置づけがあくまでオマケになっているのとか、ゲームがゲームだからしょうがないんだろうけれども。レース中の駆け引きが、そこまでロジカルになっていないのも、この立て付けだからしょうがないのかなあ、とも思う。まあ、バックグラウンドに実際の競走馬の特性を敷いているから、このくらいでも大丈夫、という判断なのかなあ……

魂斗羅 オペレーション ガルガ

 

Steam版でやりました。

別にアクションとかそこまで好きってわけでもないんだけれども、魂斗羅シリーズはちょくちょくやってるんだよなー。でまあ、今作も見覚えのあるステージやら敵やらが、だいぶアメコミテイストで復活していて、でも単なる焼き直しではなく、一応色々システム的にも工夫が加わって、なかなか楽しい。最初はショップで何も買い物せずに進めて、結構難易度高かったんだけど、パワーアップさせるとそれだけでだいぶ楽になるねえ。ホーミングは汎用性があって基本常用でOKなんだけれども、ボス戦では破壊力のある武器の方が圧倒的に有利だったり、死にかけの時は武器をあえて使わない方の武器を装備しておいたり、武器だけでも結構戦略があって楽しい。MとFはちょっと使いづらい感じで、そこは残念かしらねえ。

しかし序盤はなんか操作性が悪くて苦労した。コントローラーのラグなのか、なかなかキャラが上手く動かせない。ってかすぐに天井に張り付くのだけはどうにかならんかなー。あのせいで何度無駄に死んだかわからんよ。

あと、演出はちょっと大人しい感じもあったよね。ヘリの上でガンガンアクションするようなバカっぽさがあってもいいのよ……

エクスペンダブルズ ニューブラッド

 

うーん、完璧にジェイソン・ステイサム映画になっているなあ。それはそれでいいんだけれども、ちょっと今作全体的に小粒感がない? トニー・ジャーとイコ・ウワイスが出てきて「おっ」てはなるけどさー、やっぱりアーノルド・シュワルツェネッガーとかのでかい顔役が少ないのは残念だよねー。ジェット・リーも出ないし。っていうか、スタローンの出番が少ないのも、色々都合を感じさせられてちょっとなーという感じ。

合わせてシナリオのデキもまあアレだよなあ。別に今更すごいストーリーを求めたりはしないし、核爆発で戦争を起こすみたいな雑な陰謀をスルーする胆力もあるけれど、さすがにスタローンの再登場とか工夫がなさ過ぎてねえ。あとまあ、せっかくコレだけの役者を揃えたんだから、もう少しこうアクションそのものに工夫をして欲しい気持ちはどうしてもある。とりあえず爆発とかさせやすい船を用意してそこでアクション! とかやられても、全然面白味はないよなー。

いやまあ、お祭りのシリーズだから良いのはわかるんだけれども、お祭りならお祭りなりにもっとこう派手に花火を打ち上げて欲しいなあと、そういう風に思いました。

ホーリー・トイレット

 

ホーリー・トイレット

ホーリー・トイレット

  • トーマス・ニーハウス
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汚いしグロいしこりゃ見る人を選ぶよなあ。いやまあ痛いのをやりたいのはわかるんだけれども、腕に貫通をアレだけしっかり見せなくても……という気はしてしまうな。感覚が麻痺してしまうっつーか……

しかしまあ、思った以上に真面目な話ではあった。トイレの中縛りを真面目にやりつつも、外からのわざとらしいナレーションでこういう状況になった理由をちゃんと常識的な範囲で理由づけていて、なんかもうちょっとワンダーを生じさせてくれても良いのよ? という気にさえなった。序盤で大体主人公が罠にはめられていることはなんとなく想像しちゃうしなあ……そんな律儀にスマホの電波を止める理由付けまでしなくても、みたいな気持ちになる。

ちょっと気になったのは主人公の姿勢かなあ。腕に鉄筋がブッ刺さったことで逆さの体勢になったというのはすごくナイスなアイディアだと思うんだけれども、それがあんまりビジュアル的な恐怖に繋がっていない感じがしたのよねえ。もちろん、液体がかかるあたりの描写は上下逆さまじゃないと成立しないわけだけれども、もうちょっとこう、カメラが逆さまになることを生かした映像の見せ方はあってもいいんじゃないかなあ、とは思った。