ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

グッドライアー 偽りのゲーム

 

グッドライアー 偽りのゲーム(字幕版)

グッドライアー 偽りのゲーム(字幕版)

  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: Prime Video
 

うーんあほくさい。

根本的なことを言うと、こんなんいくらでもどんでん返しは可能で、ラストでじいさんの方が「と、騙されていたという芝居を打っていただけでした!」みたいなことだってできるわけだ。大事なのはひっくり返すことではなく、ひっくり返したときにどんな驚きがあるかの方で、そういう意味ではうーん、全然なにもなかったなーという感じ。「あの時のアレはこういう意味だったのか!」「この時彼女はこんな風に思っていたのか!」みたいなのが全くない。大体こんなタイトルなんだから、ラストでそのくらいのひっくり返しがあっても驚くわけはなく……

ナチスなんて大仰なバックグラウンドまで持ち出すんだから、そこら辺にうまいこと意味合いを持ち出すのかなーと思ったら、普通に「隠蔽された過去」以外の意味合いは見いだせず、動機なんて別になんでも良いじゃん……ベッドへの誘いでもっとしっかり伏線張っておくとかさあ、色々やりようがあるじゃないですか。

やっぱりばあさん側が余りにもスマートに「獲物」を演じすぎてるんだと思うよ。じいさん側にそこまではっきりとドラマがあるわけでもなく……いやもちろん、本物の愛への葛藤がなくはなかったのかもしれないけどさあ……だったらそれを受けてのばあさん側のドラマまでちゃんと織り込んであげなきゃダメでしょ……

 

リチャード・ジュエル

 

リチャード・ジュエル [Blu-ray]

リチャード・ジュエル [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: Blu-ray
 

うーん、いまいちピンとこないなー。もちろん題材はとても面白いのだけれども、うーん、コイツをどうやって解釈したら良いものやら。いやまあしかしリチャード・ジュエルという人物の映画的な描写が、善と悪に揺れ動くのはちょっと楽しくはあるか。それはメディアのニュースを通して人物の善悪を判断する、一読者の視点よりはフラットであるものの、しかし監督の演出ひとつで「コイツあやしいな」とか「実はどんでん返しがあるのでは?」とか思わされたりする類のものなんだよなー。あと「ミリシア」という単語が出てきたりもしていたけれども、特に序盤の彼の描写はそこら辺の危うさをだいぶ孕んでいて、テロリストと一般市民をはっきり切り分けるのってやっぱ難しいよなーと思わされますね。

物語は物語的結末を用意するために、「真の犯人を見つけ出せ!」みたいに組織を悪にして勧善懲悪の物語へと回収されていくわけだけれども、そういうわかりやすい物語の構図に回収してしまうことの恐ろしさ、みたいなのは感じるよなー。母親の会見であの記者が流した涙とか、かなーりお座なりというか、「お前物語の流れがそっちになったからってそういう行動とっても良いの?」って感じ。そこら辺が計算されているものなのかどーかはしらんけど、まーでも根底にそこら辺の危うさを孕んだ構造の物語ではあるよなーと思いました。

ブレイキング・バッド シーズン5

 

正月休みなので最後のシーズンを一気に。

まあ当然面白かったのだけれども、振り返って見ると結局家族同士の秘密を5シーズンも引っ張って引っ張って引っ張ったのだなーという感慨があるな。ハンクに秘密がばれる辺りがやはり構造的には一番の山場なのだけれども、まあこれだけ丁寧に積めばバレたときの破滅もそりゃまあ面白いよねーという感じ。

一方ジェシーとのドラマとしては、シーズン4のラストが見事に話に緊張感を付与していて、うーんやっぱりあの話は大変良くできていたなーと思う。ジェシーの軸とハンクの軸が絡まってウォルターと対峙するのだから、まあそりゃわくわくしないわけないよねー。

あと単話のエピソードもかなり気が利いていて、最終話とかの金をどうやって渡すのかという解法とか、そういう処理は見事だなーと思う。ちゃんと復讐するのか? のミスリードになってるしねえ。飛ばし屋をあの印象的な場所で情報省略したり、うーんうまいなあと思うところが多々ありました。

しかしまあ、ガスを倒してからどうやってホワイトの格を上げるか、という問題にこうやって対処するのかーと感心しましたね。最後までハイゼンベルクとして「うわめっちゃカリスマ」と思えるシーンは少なくて、弁護士に凄むシーンとか「え? そこまでかな?」と思わなくもなかったけれども、まあしかしそういう立て付けになってること自体には異議無し。

あとはもうちょっと息子&娘を上手く使ってあげられたらなーと思う。スカイラーのドラマはなんだかんだいいところに落ち着いたしね。

シカゴ7裁判

https://www.netflix.com/jp/title/81043755

いやー、こういう反体制のポジショニングの映画がこういうストレートな演出で出てくるってのは、アメリカって国が分断されてるってことなんだろうなー。もっときちんと理性に訴えかけたかったら、普通こんな勧善懲悪のスタイルにしないでしょ。史実にどれだけ忠実なのかはわからないけれども、あまりに作意がひどくて鼻白む。最後に死者の名前読み上げることで感動的な音楽が流れてきてしまったときには、あまりのわざとらしすぎる演出に「え? これってギャグでやってる?」と疑ってしまった。

仕掛けらしい仕掛け……といえば、検察側の若い方なんだろうけれども、あれももう少しこう矛盾を抱えていてもらわないと、見ていてあんまり感情移入できないよなー。まあきっちり芝居してくれているとは思うのだけれども……まあ、子連れのエピソードがあったからギリセーフって感じなのかしら。

しかしこれ民主党大会に対するデモだったのね。「ベトナム戦争の記録」で取り上げられてたっけ? あんまり覚えていなかったけれども、ニクソンによる学生運動への弾圧のすさまじさがめっちゃ印象に残ってて、最初はすげえ混乱したのだった。裁判の中身に合わせて回想が語られる……という形式もまあわからんではないのだけれども、もう少し概要があってもらえた方が楽しめたかなーとは思う。

伝説の映画監督 -ハリウッドと第二次世界大戦-: シーズン1: 作戦地帯

https://www.netflix.com/title/80060408

イヤー本当にこのタイミングでこのドキュメンタリー見始めたオレが素晴らしすぎるな……

フォードとワイラーとキャプラの微妙な確執が面白かったり、そもそもオスカーのドキュメンタリー部門はこのタイミングなんだーと驚いたり、色々見所はあるのだけれども、やっぱり根本的にはフィクション専門の映画監督たちが、現実に影響を与えるために倫理的な問題に直面させられる辺りがチョー面白い。ワイラーがそのせいで監督を降りた話はうおーさすがだなーと思ったけれども、その後の日本人に対する出っ歯でメガネのステレオタイプ描写なんて大変わかりやすくて、アニメという対象を記号化せざるを得ないものが取り上げられてるのは宜なるかなって感じだな。さらに面白いのは日本人の偏見描写に対して軍が怒ったという話で、さすが民主主義を根底に敷いている国だよなーと思う。

っていうかそもそも軍がスポンサーに乗ってハリウッドが映画を撮る……という図式になっているわけだけれども、この企画って自分たちの表現が現実の社会へと責任を果たしていくべきかという、映画界の自己点検になっているわけだよなあ。だからこそ、最近そういった政治系の出来事をテーマにして映画をバンバン撮ってるスピルバーグが参加していることに価値があるわけで。一瞬「KKK」とかの話も出てきたけれども、フィクションは現実に影響を及ぼし得る、という認識はむしろ当たり前だよなあ、と思いました。

伝説の映画監督 -ハリウッドと第二次世界大戦-: シーズン1: 任務の始まり

https://www.netflix.com/title/80060407

ということで最近ドキュメンタリーとかフィクションと現実の関わりについて色々考えているのだけれども、このタイミングでどんな気まぐれかこのシリーズを見始めた自分の見識は大変ナイス。というのも第2次世界大戦で戦意高揚のドキュメンタリー映画を撮った名監督たちは、それまでエンタメ映画を撮っていた面々なワケで。彼らが現実に直接的に影響力を行使するために意識的にドキュメンタリー映画に関与していく様は大変興味深いわけですね。そもそもドキュメンタリーというジャンル自体が変人の撮るものとされていたみたいな解説も、あーやっぱりそうなんだタイムリー! という感じ。

っていうか作中で監督が明確に、ナチスに対抗して「プロパガンダ」を行うことを明示しているワケで、ある意味で彼らは彼らの用いることのできる武器を使って国家に奉仕したって図式だよなー。そして後ほどのインタビューで彼らはそれを恥じているようには見えなかったりするわけで。これを日本の戦意高揚の映画と並べると、まあ戦勝国との違いだよなーって感じはだいぶしますね。

しかし、フランク・キャプラが「意志の勝利」を見てショックを受けて、しかしそれを逆用して「我々はなぜ戦うのか」をつくったっていうのは本当に示唆的というか、ドキュメンタリーを作ることの危うさを射貫いていて最高に面白いなあ。

エルゴトロンのノートブックトレーで iPad が捗る

リモートワークで自宅の環境を整えたのだけれども、モニタを買い換えるなどしてデュアルディスプレイやなんやらを揃えたことで、今まで長年使っていたエルゴトロンのアームが余った。

そこそこ値段も張るし余らしとくのも嫌だなーと思ったところ、「ああそういえばiPad用のスタンドがなかったなー」「あれ? エルゴトロンって確かノートパソコン設置用のトレーとかなかったっけ?」「それにつければ万事解決なのでは?」と思って検索。

エルゴトロン ノートブックトレー 50-193-200

エルゴトロン ノートブックトレー 50-193-200

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Personal Computers
 

設置、使用したところ、大変よろしかったので情報共有。

 

というのも、自分は普段 iPad Pro 11インチモデルに Folio カバーをつけっぱなしにしていて、できればコイツをつけたままおける場所が欲しかったのよね。 

Apple Smart Keyboard Folio (11インチ iPad Pro 第1世代用) - 日本語

Apple Smart Keyboard Folio (11インチ iPad Pro 第1世代用) - 日本語

  • 発売日: 2018/10/31
  • メディア: Personal Computers
 

普通のノートパソコン用のスタンドももちろん用を為すのだろうけれども、エルゴトロンのノートブックトレーを使って感じた利点は以下。

  • フレキシブルにアームが動くので様々な角度が可能で、資料の表示/メモの記入/ながらのゲームなど用途に応じたポジショニングが容易。上部に向ければスタンディングでも使える。
  • キーボードカバーにマグネットが仕込んであるが、トレーが金属製であるためしっかりと接着して外れる心配がない。
  • アームにコードを這わせるための場所があるので、充電用コードが邪魔にならない。またマグネット式の充電コードを使っているので、使わないときはそのままトレーにくっつけてブラブラせずにしまえる。
  • アームがガッシリしているのでキーボードも普通に打てる。

デメリットがあるとすれば、手前に傾けすぎたときに本体がカバーが外れることがあるって点だけど、ディスプレイ面を90度以上コッチ側にしなければ問題ないので、まあ慣れれば全く問題ありません。

サイズ的には11インチでぴったりで、12.9インチのヤツをつけても問題ないと思います。

 

個人的には、仕事用の机から休憩用のソファにぐるっとアームを回して、リラックス時のちょっとした調べ物なんかに使えるのが大変お気に入り。デュアルアームにしてひとつはiPad用に、なんて運用もかなり実用的かと思いました。オススメ。