ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ブレイキングバッド シーズン3

 

なんやこの面白さ。意味わからん。2部でだいぶ加速したなーと思ったけれども、こんなに話が面白くなるものなんか。マジで。

とにかくビックリしたのがハエ叩きの回で、これだけ快調に色んなところのトラブルで回してきた話なのに、急にあんなしょーもない出来事で1話やろうとするの頭がおかしいし、それがめちゃくちゃ面白いもチョービックリした。色んなゴタゴタが色々あるけれども、結局このストーリーってウォルターとジェシーの関係性で回していくんだっていう再宣言だよね。そしてそこからこのラストへの急展開が起こるワケでしょ。いやー、本当に素晴らしい。白旗。

あとすごく喜ばしいのはスカイラーの動きで、不倫パートもいまいちパッとせず、これまでかなり割を食っていた立ち位置だと思うんだけれども、突然有能なムーブを始めてビックリする。やっぱり登場人物はストーリーの障害としてだけではなく、有能な人物として描かれないといかんよなーと再確認する。

いやーしかしほんと、人数もそれほど増えてなくて、派手なアクションもなくたたお互いに秘密を持っていて性格が違うだけで、まあこんなにきちんと群像劇が描けるんだなーとビックリ。今までドラマほとんど見てなかったんだけれども、まあさすがにこういうものを目の当たりにすると考え方変えなきゃな……と思いますね。

サスペリアPART2

 

サスペリアPART2 (完全版)(字幕版)

サスペリアPART2 (完全版)(字幕版)

  • 発売日: 2019/05/08
  • メディア: Prime Video
 

サスペリアと全く関係ないんかーい!!

ダリオ・アルジェントってライティングべかー! ゴブリンじゃびょーん! 編集ぶしゃー! みたいな感じしかしらなかったから、なんか真面目に恐怖演出じっくりしようとしている内容でビックリしちゃったよ。こういう作品も作ってはいたのだねー。まあ、『ウエスタン』にも名前連ねてはいたしなー。

しかし話はくっそたるい感じもするというか、主人公の行動動機がちょっとさすがにてきとーすぎねーだろーか。ちょっとビックリしてしまったよ。恐怖描写もああいうゴテゴテした感じにしてもらわねーとやっぱピンとこねーなーと思ったら人形は知ってきてちょっとおしっこちびった。チャッキーより全然こわいですねーあのスーって近づき方は。あれはまあちょっとこわい。

あとはまあ、思いのほかちゃんとミステリっぽいオチになってまあビックリしました。いや別にちゃんとミステリになってるかというとそういう感じではないのだけれども、犯人探しみたいなものがはじまるとはもう全く予想していなかったもので。

あとラストの決着の付け方はアレ抜群によろしいなー。ちゃんとストーリーを終わらせる説得力があってサイコー! と思いました。

東京リボーン 第5集「渋谷 迷宮大改造」 メディア: Prime Video    

 

オリンピック吹き飛んじゃったじゃねーか。どーすんのこれ?

と思ったらなんかコロナと結びつけて街の再開発を説明仕様としているけれどもさすがにそれは無理がすぎねーだろーか。ニューノーマルとかいってリモートワークがガンガン加速し多様化する時代に、渋谷みたいな集中によって生まれた都市を整理して人の動線を確保しよーというのはビミョーに噛み合ってなくない? まーこういう時代が急に来たわけでしょうがないんだけどさー、この企画ちょっと舵切りが大変よねー。

しかしまあちょっとタイムリミットに向けての工事という大骨がちょっとそこまで吸引力ないというか、無理やり緊迫感を積み立てようとしているけれども普通の密着ドキュメントでそこまでドラマティックなことは起こらないよね。あんなグラフまで用意されて煽られると、期待外れ感が起こっちゃうもんだなーと思いました。

まあ普通に渋谷のややこしい成り立ちが時代を追って見えたのは大変良かった。そのせいで各権利者の調整が難しかった、というのは大変納得感があり、できればもうそこだけに焦点を絞った話とかを聞きたいとは思ったなー。でも私企業のビルの建築デザイナーまで調整で支持する、というのはちょっとよくわからんなーと本当に思いました。まああそこまでデカい権利者たちだと公共空間のために負担(とその見返り)を得る構造になるのはわかるんだけれども、そこでデザイナーを指定することで渋谷の個性とか一貫性とかが担保できるとかはマジでわからん。だったらもうすこし渋谷という都市全体のグランドデザイン……とまではいわないけれども、どういった土地の特色を目指しているのかくらいは教えて欲しかったよなー。

葬送の仕事師たち

 

葬送の仕事師たち(新潮文庫)

葬送の仕事師たち(新潮文庫)

 

入りの辺りがちょっとごたついている感じがしてうーんどうなの? と思ったんだけれども、構成を把握したら納得した。とはいえなんかもう少し入りのところに強烈な導線みたいなのがあってくれると良かったのかなーと思う。あとがきの内容みたいなのが序盤に入っていたら、どこら辺の視点で読み進めれば良いのかもわかりやすかったと思う。中盤以降、結構中の人の顔が見えてくる構成って印象でもあったので……

葬儀って個人的にまだあまり経験せずに済んでいるのだが、いずれはやってくるものなので、こういう予備知識を事前に持てているというのは良いことだなあと思う。とくに根本にある姿勢とか思考の基本回路を知っておくだけで、どう接せばいいかという基本的な方針が明確になるのは、自分のような人間に取っては大変ありがたいことです。

つい最近123便墜落事故のドキュメンタリーを読んだこともあって、様々面白いなーと思えたことはあったのだけれども、エンバーミングが南北戦争由来で日本に輸入された、というのはあーそうかーと納得した。いやなんかどっちかっつーと共産圏の指導者が権力の誇示のため……みたいなイメージだったのだけれども、アメリカの方じゃエンバーミングがそんなに一般的なのねー。そしてベトナム戦争でさらなる発展……ということか。なるほどなー。

藤井聡太二冠 新たな盤上の物語

www.nhk.jp

なんかちょっと前から符号で考えているというのが話題になったと思うけれど、この番組のインタビューって初出なのかしら? 佐藤天彦も「ちょっとなら読める」みたいなことを言っていた? まあ事前に色々漏れ出るくらいビックリするような内容ではあったのだろうけれども。

リモートワークのご加護もあって結構タイトル戦は見ていたし、だからテレビで取り上げられていた手は大体流れも知っている。3一銀の窪田先生の指摘とかも見てたしね。まあそういう意味ではそんなに新情報はないのだけれども、まあしかし将棋を知らない人向けによく工夫してその凄さを伝える努力をしたよなーと思う。

あ、新情報と言えば「将棋の渡辺くん」の情報かな。ブログはちょくちょく見ているけれども、マンガの方は追っかけていないので、あーホント渡辺明は明瞭だなーと思う。大変面白い。

あとビミョーに声が一瞬採用される藤井九段とか、木村先生の心理を読む行方先生とか、まあファン的にもちょくちょく細かくて伝わらない見所があって良かった。

オリエント急行殺人事件

 

オリエント急行殺人事件 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
 

うへー、豪華キャストー。

わたくしミステリはちゃんと履修しておりませんので、『オリエント急行殺人事件』の大ネタとか全然覚えておらず、へーなるほどそうするのねーと危うく興味を失いかけるところでございましたよ。

これって映画的に見ると、推理の途中でわりとボロボロ不自然な点というか、関係者が続々出て来るのが目に見えていて、うーんだったらなんでもありだしなにを面白がってみれば良いのかなーと混乱してしまいますよね。結局ポワロvs乗客って構図になっていて、非協力的な乗客の全く意味のない証言をただ物証のみで覆すという、ミステリ的にはだいぶアクロバティックな構成になっているんだけれども、だったら先に犯人を明かしてしまった方がいーんじゃね? むしろポワロがわかりきった正解にむかってどうやって証言の矛盾を見つけ出していくのか、というのを俯瞰視点で見せた方が面白くね? とかも思ってしまうけれどもどうなんでしょう? 映像化で面白部分がわかりづらくなっているだけで、原作ミステリだとちゃんとそこら辺の問題点がクリアされているのかしら……

しかし最後の正義に対する決断ってどーなんだろうなあ。アンバランスを受け入れる、ってどーゆーバックグラウンドがあるの? 公正さとか天秤とかそういうのが想起されるんだけれども、ちょっとそこら辺の文化的差違には解説が必要かなーとは思いました。

自画像のゆくえ

 

自画像のゆくえ (光文社新書)

自画像のゆくえ (光文社新書)

  • 作者:森村 泰昌
  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: Kindle版
 

読み始めてから、森村泰昌って有名絵画を真似たセルフポートレートを撮っている人だってことに気付く。いやー、なにがきっかけでこの本を買ったのかは本当に覚えてないのだけれども、芸術家自身の書いた本であることをもう少し早くに気付けたらなあ。人物にとって知りたいというよりは、むしろ絵画の歴史を学びながら自画像が持つ意味の探求を見たかった、みたいなところが大きかったので……

ここまで作者の個性に惹きつけられると、だいぶ普遍性が減じられる感じがしてうーん、という感じ。さらにこれ作者の立ち位置もあって、それを読み解く私語りみたいな感じになっていて、あーこれ自分が読みたかった本とは結構ズレてるな……と。思い込みによる推理を客観的に同意がとれるような口調で描写されると、あー芸術家をやっている人の本だなあ、と。

もちろん本人は色々文献も当たっているのだろうけれども、前提となる知識がないと結構危ういなーという感じがしたのでちょっと順番間違いましたね。いまだに宗教画とか歴史画とか風景画とかの序列みたいなのがイマイチピンときていないので。

最終章で作者がさらに色濃く自分語りをしているけれども、まあそこら辺の経緯も含めて、そりゃあ実践的な解釈になるよなーと思うので、まあ普通に自分が間違ってこの本を読んだってことなんですけれども。いやほんと、未確定なところに強烈な自我と解釈をブチ込んで作品にするのが作家の仕事ですからねー。