ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

そこにある環境レイシズム

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みたことあるよーなインタビュワーだななんでこんなにインタビュワーが出張ってくるの? と思ったら、あー「JUNO」とかに出てた人か。個性的な顔立ちだから引っかかってるもんですねー。

内容的には全然カナダっぽくない内容でビックリした。そもそもカナダにおけるレイシズムってのがよくわかってなかったけど、いやー考えてみれば黒人ももちろんいるしそもそもネイティブアメリカンの土地だったわけですよねーそりゃそうだ。そして確かにパルプ工場とかの大工場もカナダっぽいといえばそれっぽい。ラストでちゃんと期限通りに履行される展開とかは、おーカナダ偉い偉いとなるけれど。

なんかよくわからんけど女性の映画だなーとぼーっと見ていたらラストでちゃんとそういう落とし方になっていて納得した。こういうアングルの作り方はわざとらしすぎてどーなのと思わなくもないけれども、市民運動が女性を母体に育まれた側面があるのも事実だろうしなー。また自らの土地からアイデンティティを探っていく上で、このようなアプローチになるのも良くわかるっつーか。

いやー、ちゃんとこういう運動をポジティブに描くことをしなきゃいかんのだなーと思いましたよ。

王様達のヴァイキング

王様達のヴァイキング(1) (ビッグコミックス)
 

ううううううーん! 正直ちょっと食い足りない。

時事ネタを速攻で取り込んでエンタメに落とし込んでるのは素直にすげーなーと思うんだけれども、しかし、俺が望んでいたハッカーの描き方ではないんだよなー。

実はこのタイトルって大変良いところを突いているはずで、ヴァイキングって「既存の法律の枠組みに囚われない存在」が「社会にインパクトを与えて世の中を変えていける」ことの象徴のはずなんだよねー。パイレーツラジオとかまさにそうだし、あと純粋にプログラム系の技術でも、Youtubeは最初違法動画の温床になっちゃっていたわけでしょ?

で、そんな「脱法的存在」が社会にインパクトを与えるとき、問われるのは「法律が追いつかない技術において公正さとはどのように担保されるべきか」という社会のあるべきデザインへの思索で、ハッカーってのは多分そこら辺への興味がないとダメなんだと思うんだよなー。アーロン・シュウォルツとかはまさにそういう存在だったわけだけれども。

だからまあ、コレだけの技術を持った人間が集まって未来の社会のデザインを考えるべき話のはずなのに、そこで安易に監視社会を一手に握ろうとする悪い総理大臣を登場させて、しかも感情的なドラマを家族のストーリーに落とし込んでしまったのは、エンタメにするための方便であるのは分かっていても心底残念。あと主人公がなんか最後まで空っぽすぎて機能しているように思えなかったのもなー、ツラいよなー。地元とか仲間みたいなヤンキー的な思考で回そうとしてたのかなーとも思わなくもないし、それは日本的でありえるのかも知れないとも思うけど、うーん……もう一声!

ニーナ・シモン 魂の歌

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公民権運動ってポジティブに捉えられることが多いから、こういう視点のドキュメンタリーはなかなか貴重。OPとかの吸引力が躁病ぶくみの挙動だっていう展開にはさすがにかなりビックリしたけど、同時に納得もしたのだった。

序盤は、ピアニストの視点から人種差別に切り込んでいって、そうかークラシックは当然アカデミックだよなーと納得。その根っこに教会でのゴスペル的な演奏があるのもまあ操舵よねって感じ。で、そこから酒場でジャズシンガーとしてキャリアを積んで、という展開は大変よくわかる。

でも、そこに個人的なセックスの嗜好やらDVやらの問題が絡んでくると、あーそうかー公民権運動の人物のこういう私的な困難を描かれると色々物語的には不都合なことが起こるよなーと思いもするのだった。キング牧師の性生活とか、まあ確かにちょこっと触れられたりするけれども、その線を負っていくとストーリーが困難になる部分はあるよなあ。いやもちろんそういう人間的弱さを描いて初めてより深みのある話になる、という考え方をするべきなんだろうけど。

でも、この作品でニーナ・シモンが娘に対して行った行動を知った後で、プロテストソングをあらためて耳にすると、うーんと色々考えるところが出てきちゃうわけで。その複雑さも含めて作品を受け入れるべきなんだろうけどなー。ふーむー。

クレイマー、クレイマー

 

クレイマー、クレイマー (字幕版)

クレイマー、クレイマー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

訳あってちょー久々に観るのであった。うーん、内容すっかり忘れておったなー。

ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが芝居でガップリ! という感じではあるが、しかしコレばっちりウーマン・リヴの映画だったのねー。見た当時は全然知識がなくて「なんやこの身勝手な行動は」とか思っていた。いやまあ今見ても確かに身勝手な行動には見えるけれど。

そういう意味では女性の描き方がちょードキドキってかんじで、ラストでメリル・ストリープが良いところ見せなかったらこれさすがにちょっと逆に描き方がひどいよなーと思いながら見ていたのだった。まーアレがなくてもけっして良いとは思えないけれども。夫側の描き方がもう完璧にヤンキー構成メソッドで、妻側が最後までヒステリックでエキセントリックな女性って感じだものなー。ちょいしんどいよなー。まあ、メリル・ストリープが共感できるように仕上げてはいるとおもうけど難しい役柄だと思う。

あとは意外と子供との仲良しになるパートがモンタージュというか、一足飛びだなーと言うのが驚きで、ふれあいだったり困難の克服だったりが特にドラマティックではなく日常の積み重ねでいつの間にか解消されている感じがチョーリアルでよかった。会社との問題もダダ滑りであの感じになったのがとてもよい。それでも説得されるのは、まあ家族ってそういうもんでしょうという信頼があるからだよなー。

そしてまあ、フレンチトーストのくだりは素晴らしすぎますね。

天獄と地国

 

天獄と地国

天獄と地国

  • 作者:小林泰三
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: Kindle版
 

うーんこりゃまたけったいな。ほんとこの人の書くSFは奇妙だなー。

世界観はまあハイハイそういう感じね、といういかにもな立て付けなんだけれども、そこに独特の言語センスが乗って「おいそれ本気で言ってんのか?」みたいなのが、でも実際このくらいの時代になったらありえそうだよなーとか思ったりもして、このごった煮感がたまんないなーと思う。さすがにザビタンの叙述トリック含めたあれやこれやには笑うしかない。本気で言ってるのかまじで。

一方ストーリーの展開はまっとうに面白いというか、自分の命を懸けて未知の存在とどう折衝していくかをやっていて、それだけでもすげー読ませますね。身体性の拡張が文字媒体で表現されるとうおーこんなかんじになるのかーというワンダーもあって楽しい楽しい。最後のクーデターのくだりは、ちょっと一足飛びなのかなあそこはそれでいいのかなあとは思ったけれども、そこら辺の社会の抽象化の仕方も含めてうおーSF読みましたなあ、という感じで大変面白うございました。

チャイルド・プレイ

 

チャイルド・プレイ(吹替版)

チャイルド・プレイ(吹替版)

  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: Prime Video
 

リメイクの方。

今風に作り直されているけれども、それが果たして良いことなのか何なのか……もちろんクラウドという掴み所のないものを利用して恐怖を掻き立てようという理屈はわからんでもないのだけれども、しかしそれと悪魔崇拝のどっちが恐怖を掻き立てるの? というとどう考えても悪魔崇拝だよなー。スマホで色々話を転がして演出を生み出して、まあそれがある種の特徴になっているのはわかるけど、前作の悪魔崇拝による「えーこれでもこいつ生きてるの!?」みたいなインパクトには到底かなわないっつーか。結局チャッキーの魅力ってあの部分にあるような気がするので、かなり拍子抜け。

もちろん途中の映画視聴パートなんか明らかにスプラッタのインフレを笑ってるから、まあ意図的なモノではあるのだろうなーとは思うのだけれども。でもだったらクラウドの恐怖をもっと利用してオモチャ屋でチャッキー軍団が襲いかかってくるとかやるべきだよなーと思う。クマを1匹叩ききったからそれでオワリとか、いやいやちょっとやる気がなさ過ぎでしょう。あそこから脱出まででもうふた山くらいあるもんだとばっかり思ってましたよマジで。

しかし真面目な話シナリオは結構なチャイルドの話であって、オトナを憎むチャッキーが股間をカッターで切るなどなかなか意味深。ラストで警官が銃で決着をつける辺りもまあ色々読み取れちゃうよねーとか思いましたとさ。

サイバー・ミッション

 

サイバー・ミッション (字幕版)

サイバー・ミッション (字幕版)

  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: Prime Video
 

だせぇタイトルだなーと思ったら内容も結構ダサダサなのであった。まあ中国はがんばって映画産業育成しようとしてるんだろうねーという感じはある。でもまあ根本的に脚本がなーさすがにちょっとなー。バックドア上等なOSをインフラやら航空機やらにそのまま利用してしまうと言うセキュリティ意識の低さみたいなのは、まあ20年前ならわからんでもないけどさー。今この時代にこんな話真面目にやります? みたいなかんじ。ラストも銃を持ってるのになんで追いかけっこするのかまったく意味がわかんねーしなー。いいからさっさと撃ち殺せば良いんじゃないです?

あと三角関係もびみょー。いったい何のドラマなのか……そこの駆け引きがもっと直接的にストーリーに関与しないとダメでしょ。挙げ句ふつーに殺されて、うーん一体何だったのか。いやまあそれまでの三角関係の描き方も別に全然気になる感じではなかったから良いんだけど。

あとはアニメ大好きゲーマーのハッカーのはずなのに、それが後半まで全く生きないのも最高にダメだと思う。あんなに序盤オタク推しをしたのにそれが全然関係ないとは思わなかった。雑にアニメイベントで島風出してるだけじゃあかんでしょー。ルフィの首回してる場合じゃないよマジで。