ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

オフィーリア 奪われた王国

 

オフィーリア 奪われた王国 [DVD]

オフィーリア 奪われた王国 [DVD]

  • 発売日: 2020/05/02
  • メディア: DVD
 

オフィーリアってあの絵の人よね? というくらいシェークスピアに触れたことがないので、これがどのくらい原作に忠実なのかもわかっていない。まあさすがに『ハムレット』くらいは見ておいた方がいいんだろうなーと思うけど。あー、ギリギリ『ロミオとジュリエット』は読んだっけ?

しかしまあ映像はがんばっているけれども、まあいわゆるつくってある雰囲気重視の美術って感じで、あーうんこういうトーンで統一してあるんだよなあ。でもストーリーもダイジェストという感じで、なんか全体的に形式的って言うか、感情が乗れない話になっちゃうよなあ。こういう全体のトーンでつくるやり方を選択しているのはわかるんだけれども、うーん……

例えばこれが演劇とかだったら、もうちょっとキャラクターの役割が抽象化されることに気持ちが乗りやすいのだろうけれども、映像になると上手くお話に乗り込めないのはなんでなんだろう? 不思議。

話の筋はうーんちょっと所々「それでいいの?」と思わなくもない。英語理解できたら台詞の切れ味とかで説得力を感じられたりするところなのだろーか。最後は「もーどーしょーもなーい!」という感じが強すぎて思わず笑ってしまったのだった。いやほんと、あれ演劇だったら乗れるんだろうなあ。

未解決事件 File.08 JFK暗殺

 

ふだんあんまりNHKスペシャルとか見てなかったので、なんでコロナばっかりのこのタイミングで? って謎だったけれどもちょうど並列してベトナム戦争の映画も追ってたしちょーどいいやって見始めたんだが、いやー気合い入ってるなー。そんなに再現シーンに金かける必要ある? ってくらい金がかかってて、うーんこういうところに力入れてるんだなーとびっくりした。まあコレだけ気合いが入ってれば、このタイミングだろうとなんだろうとやるよね。

内容的にはNHKも不確定な事実にここまで踏み込むんだなーみたいな驚きがあった。こういうのってある種の下世話な陰謀論で、もうちょっと逃げ道用意しておくのかと思ったけれども、まあストレートにCIAの陰謀とか言っちゃうのすげーなー。まああのレベルでCIAが何かを隠してないことはないんだろうけどねー。

なんにせよ印象に残ったのは「反共の空気」みたいなヤツで、冷戦ってのは社会全体にこんなにも影響を及ぼしていたのだなーという感じ。スパイとかガンガンいた状況ってのはやっぱりちょっと想像が追いつかないところがある。駐日の米軍兵士がソ連に亡命することの重大さとか、まあ確かにいわれてみればやべーなーと思うんだけれども、そういった人間が世の中でどのように迫害されるかみたいなところには、ちょっと想像力が及ばないなあと思いました。

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 重い記憶の共有 (1973年3月以降)?

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グランドフィナーレ! って感じでございますな。

まーとにかく前回までのニクソンが強烈過ぎた。フォードがやってきて後始末で、まあやっぱり色々大変なことがあるけれども、まあちゃんと終わらせることはできるワケで。まあ米軍が撤退したらこうなるだろうなーというのがこうなって、ベトナムは共産圏に呑み込まれましたけれども政策は失敗続きでしたよ、ドミノ理論は成立しませんでしたよ、という展開。いやー、自分たちは答えを知っているからこういうふうに断罪できちゃいますけど、しかし当事者だったら色々考えたのだろうなーと思います。ってか本当に反共の圧力って強かったのなあ……

しかしそれをなんだかんだ検証して語り直すことがアメリカの強さであるのだろうなーとも思う。まーニクソンもそうだけど、JFKですらああいうえがきかたをされてるわけだもんなー。何回目になるかわからんけど、うーん、すごいよなー。

慰霊碑のエピソードもズシンときますね。アジア系のデザイナーの案を採用しちゃうのも凄いけれども。ってか慰霊碑そのものにアレだけのドラマがあったなんて全然知りませんでした。

あと大使館から脱出するところってなんかの映画で見た気がするんだけれども何で取り上げられてたんだっけ? 気のせい? 『キリングフィールド』と記憶がゴッチャになっているのかしら……?

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 敬意なき忠誠 (1970年5月?1973年3月)?

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前回暴れ狂うニクソン旋風かと思ったらまだまだ序の口だった……いやーすごい。すごいはニクソン。『ペンタゴン・ペーパーズ』から『大統領の陰謀』と、マジでこれ今まで見た映画の棚ざらえ感がやべー。っていうかマジでニクソンやベー。

いやー、もう肉声が残っちゃってるのがほんとに凄いですわ。他の大統領もああいうレベルで会話してたらすごいよなー、でもないとは言えないよなー。ってか国家を運営するためにあんなにあからさまにウソをついて国民を騙すというのが明らかになってるのは、うーん、国民と国家の関係に強い緊張関係生まれて当たり前ですよねー。権力は腐敗する者なのだーってかんじで、うん、なんかやっぱり見たタイミングが良かったのかもしれない。

あとジェーン・フォンダもこのタイミングで出てくるのだなあ。「フェミニストからのメッセージ」でそういえば触れられていたよねえ権利運動と表裏一体なのだなーと思うなどする。そして当時からフェミニストの行動は批判される危うさを孕んでいたのだなーと。

縦軸として、捕虜となってた医者の人が無事に帰ってきて大変良かったなーとは思いつつも、そこで妻が民主党の政治活動を始めるとか、うーんダイナミック。ホント激動の時代だなあと思わされます。

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 歴史に残る戦争 (1969年4月?1970年5月)?

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そして暴れ狂うニクソンの力。

いやー、今までの捕虜の問題とか公民権運動とかの蓄積が、ここで強烈に前面に出てきて「これがニクソン!」と大納得。なるほどなー、ここまで色んな大事件が強烈に起こると、リンドン・ジョンソンも霞んじゃいますよね。

しかしこのタイミングでウッドストックなのかー。なんか流れる挿入歌がみんなディープでトリップ感増してきてるんだけど、まあそういう時代ってことよねえ。カナダへの脱出でみんな大麻を栽培したのか。違うか。いやーカナダって面白い国だよなー。

あとアポロが月にいってるタイミングよね? ここらへんビミョーに間接言及があっただけみたいな感じもするけど、社会的にはそんなにインパクトがなかったということだろうか。あんまりベトナム戦争と関係なかったってことなのかしらねえ。でも、片や宇宙開発に予算ぶっこんで、片やベトナムに資金を投入して……と、まあアメリカってめちゃくちゃ資金力のある国なんだなーと改めて思いました。

まーしかし何はともあれニクソンですね。いちいち言うことが共和党の強い大統領って感じで参ります。これからもどんな名言が出てくるか大変楽しみである。

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 文明という仮面 (1968年6月〜1969年5月)

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あれ? なんか急に話が面白くなってません? コレまでに比べてエピソードが段違いに面白い、というかオチが効いてるんですけど。

日系人が米の量で敵を見つける話とか、長方形か正方形かテーブルの形で揉めたのを円形テーブルで解決する話とか、捕虜収容所で猫を捕まえて食おうとしたら所長の飼い猫だった話とか……突然こんなオモシロエピソードを乱発されてちょっと脳が混乱する。めちゃくちゃ面白い。というか日系人の人がキャラ立ちすぎでしょう……

あとはいきなりニクソンが炸裂していて最高ですね。当選のために和平を遅らせるとかもう政治こわい。リンドン・ジョンソンが告発できなかったというのも駆け引きとしてチョー面白い。

っていうかアレですね、民主主義万歳を掲げていただろうアメリカですらこういう体たらくなんだから、やっぱり政府に常に猜疑の目を向けていかなきゃだめっていうことですよね。しかしそういう経緯が後世のためにちゃんと明らかになるアメリカっちゅー国の仕組みはちゃんとしてるなーと思う。これって時間が経ったから情報公開されたヤツなのかしら? それともマスコミの調査によってリークされたヤツ?

いずれにせよ、権力と透明性の問題は大事なのだなあと思います。

ベトナム戦争の記録: シーズン1: すべてが崩壊 (1968年1月?1968年7月)?

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テト攻勢、からのー、リンドン・ジョンソンが大統領から降り、そして暗殺暗殺って、もうなんなのこのアメリカ史の密度……ヤバすぎでしょ。令和も色々ありすぎてちょっとビビったけど、この時代のアメリカ合衆国には全然追いつけないよなー。いやー、すげー。

しかしまあ完全に膠着状態になっちゃってるんですねー。アメリカの方ばっかりに視点が行きがちで、北ベトナムの事情みたいなのがよくわかんねーなーというのが正直名ところだったのだけれども、そりゃまあ向こうにも向こうの事情が色々あるよねえ。そっちの方をガツンと掘ってもらっても良いのよ。

色々総括って感じの回でございますが、1枚の写真がその後の流れを決定づけたというのがコレだけ雄弁に語られるとうおーすげーと思うよね。ちょっと前の僧侶の焼身自殺の下りもそうだけれども、報道って有無を言わせず世界を変えさせるインパクトを持ってるんだなーと思った。

あと世界中の学生運動に呼応して、日本も色々やっていたはずなんだけれども、うーん、どうも何やってるか全然わかんねーんだよなあ。公民権運動とか民族自決とかそういう理屈は全然わかるんだけれども、安保とかの問題点はよくわかってないというか……日本の市民運動のイメージがアレでネガティブになっちゃってる面もあるような気がするので、1回ちゃんと学んでおかねばなーと思うのだった。