ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゴッホ:天才の絵筆

 

色々あって絵画系の映画をしばらく集中的にみるかーという感じ。

でまあとりあえずゴッホなんだけど、そもそも全然予備知識がなかったもんでもうゴッホやべーとしか思えん。ゴーギャンをアルルに連れてきたくらいのことは知ってたけど、「部屋借りたから来いよー」とかまあ普通にクッソ迷惑な所業にしか思えない。というかディーラーの弟に延々養ってもらって全然絵も売れなかったワケでうーんヤバいよね普通に。

けどそういうヤバい人間だからこそこういう評価になってんのだろうなーと思う節もあり、ってか一日3枚とかで書き続けるとかうーんやっぱりフツーはできないよなあ。まあそれでメンタルやられて自殺しちゃったわけではありましょーが、しかし……

作品についてはさすがに見たことがある作品も多い。ただ画の内容については補色を用いたこととか線での描写にこだわったこととかが解説されているけれども、作品それぞれの内容についてはまずまず見たままって感じなんだなーと拍子抜けした。いやまあそれも確かにゴッホっぽい感じではあるのかなあ。多少浮世絵とかに触れられてるだけ?

っていうかむしろゴッホが発見された下りの方が興味沸いたのだった。あとで調べる。

グラス・イズ・グリーナー: 大麻が見たアメリカ

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Netflixには大麻解放しようぜ系のドキュメンタリーがガンガンあってビビるけど、これはかなり体系的にバックグラウンドが説明してあって大変勉強になった。というか『13th -憲法修正第13条-』で労働力確保のために黒人が狙われて刑務所に入ったって話が、ここまでストレートに大麻開放のロジックに組み込まれてるのねー。めちゃくちゃ納得、ではあるんだけど、ここまでロジックが理路整然としているとなんかこー疑いたくなっちゃう気分もある。こういう根っこに個人の趣味嗜好がある主張はちょいと間引いて聞かなきゃならんよなーと思った。

とはいえ大麻が黒人の音楽文化と密接な関わりがある、というのは改めて説明されてめちゃくちゃ納得。たまーにジャズとか聞いても言葉の意味までは全然追っかけないもんなあ。あとヒップホップ文化がひとつの大きな転機になったのも重要だなーと感じました。コカインじゃなくて大麻を、って教育の役割を楽曲が担っていたとかちょっとすごすぎる。ってかスヌープ・ドッグの吸いっぷりはさすが笑ういましたアメリカはホントに大麻吸えるような状況になってんだなー。

音楽以外にも、ヒッピー・ムーブメントで白人にも広がったとか、アメリカ史の中でのドラッグの役割が垣間見れる内容で、大変興味深かったです。

90ミニッツ

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うーん、つくりが若いというか、意匠だけが先走って良くない結果を招いてる感じがだいぶする。事実を元にしたドキュメンタリーなら、ここまで作為的なつくりにしなくて良いんじゃないですかね? シーンの繋ぎが無駄に煩雑で話の内容をわかりにくく、というか薄っぺらくしている感じ。ついでにラストの無駄なアクションとか本当にいるのかなあ……? 元事件を知らないからなんとも言えないけど、例えアレが事実を元にして脚色されていたとしても、突然あそこまで劇的なアクションされてもなぁ……

というかそもそもそれぞれのエピソードのつくりがだいぶ下手で、あんなに立て続けに悲劇を安売りされてジャカジャカ悲しい音楽が流れると、「次はどんな不幸を持って来てくれるんだ!?」って笑っちゃうよね。さすがに若者の突然の死とそのフォローのなさには爆笑した。もちろんバックグラウンドにはエジプトの貧困があって、そこら辺を描くのはテーマなんだろうけど、あんな列車ならいっそ事故ってもらったほうがいいんじゃね? とか思わなくもない。そのくらい悲劇の作り方が雑。っていうか父親はあんな悲劇の英雄的に死んだけど、あのまま行くとふつーに息子君も死んでるよね? やっぱり根本的に意味ないんじゃないかなああの最後の展開。

リスク: ウィキリークスの真実

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あー、これ『シチズン・フォー』の監督の作品なのか。というか『シチズン・フォー』は観たはずなんだけど感想ここに乗っけてないな。まあいつもクソ雑な感想だけど、なんだかんだ文字で残しておくとそれを観た時の印象を思い出す、というか書かないとすっかり忘れていることが多いので、クソ雑でも良いのでちゃんと書かなければなーと思った。

ということでこの映画なんだけど、あー、うー、うーん……監督の予備知識いるヤツじゃないコレ? 締めのタイトル回収もそういう感じだしさー、全体に視点者の語りがかなりポエティックだしさー、そういう展開は全然予想していなかったのでちょっとビビった。

そういう意味で面白いのはレディ・ガガが取材に来ているパートで、あれアサンジを撮影しているレディ・ガガを撮影している監督、みたいな構図になる。でもってレディ・ガガが明らかにウィキリークスの技術的だったり社会的影響だったりではなく、アサンジのパーソナルな部分に焦点を当てようと質問していて、まあだいぶメタいよね。あるいはスウェーデンとの裁判での弁護士との話し合いで、公的な場所でなければ……という前提で過激なフェミニストが政府と結託して自分を陥れようとしているみたいな陰謀論めいたことを語り、弁護士が困惑している姿を編集で繋ぐとか……

個人的にはハッカーの人間性を追ってもあんまり収穫はなかった作品になっているように思え、もう少しハッカーたる所以、行動原理なんかが見えた方が面白かったのになー、その意味で監督はちょっと敵対的すぎるというか、リスクのある位置に立っちゃったのかなーと感じました。

ラッシュアワー3

 

ラッシュアワー3 プレミアム・エディション [DVD]

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うーん、このシリーズってジャッキーのアクションこのくらいの感じだったっけ? 延々逃げたりやられたりのアクションばかりで、いやまあそれはそれでちゃんと商いように工夫は凝らしてあるんだけど、観ていてちょっとしんどいなーと思うところはある。まあまあ歳を取っているのもあるけれども、年を理由にしてない役柄なのもあるのかなあ。アクションスターってのは大変だわ。

しかし映画としてはうーん王道のコメディだなーって感じで、いちいちシチュエーションにアイディアがちゃんと入れてあって大変誠実だなあと思う。このシリーズは異文化の交流が大きなテーマであるけれども、今回はパリという土地をバックグラウンドに色々アイディアを入れているなーという感じ。フランス人に対する戯画化とかはアメリカ人からするとどんな印象なのかしらねえ? 年配シスターを挟んでの尋問シーンとかは洗練されてて大変良いなーと思う。

しかしまあ2008年の作品としてみるとちょっと編集が物足りないなーと思うところはあるよね。10年くらい昔の作品の感じ。アクションコメディなんだからもっと軽やかに勢いよくガンガン行くのが普通だよなーって感じなんだけど、具体的にどうすれば良いのかはあんまり言語化できずに不思議な感覚だなーと思いました。

レッド・ドーン

 

レッド・ドーン Blu-ray

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へー、これ元々は敵が中国の設定だったのか……それで納得がいったわ。ってか普通、いくら新兵器を開発したって北朝鮮がアメリカをあんな規模で一気に陥れることができるって設定の話創ろうとしないよねー。全く正気じゃない。でも中国だったらありえるかなーいやでもやっぱそれって現実的に問題ありすぎじゃない? ホワイトハウスが陥落するだけでもかなりキッツいのにさー、というのは、まあ、あるとして。

こういう叩いても問題なさそうな悪役を置いて自分たちが虐げられている側として描くその面の皮の厚さが、もうなにを置いてもすごいなーと思う。優れてるとか良いとかではなくて、うーんすごい。一方で公民権運動を描いて、一方で中東での戦争を描いて、さらに一方で反共映画を作れるアメリカっちゅー国はまあ本当にすごいよねー。

個人的には一番興味があるレジスタンスを組織するパートが訓練モンタージュですっ飛ばされて、お前らいつの間にそんな自由に街とアジトを行き来できるんだよ、ってのが一番しんどかった。レジスタンスのうま味ってそういう「何が信頼できるのかわからないサスペンス」にあると思うので、そこら辺をひとりの裏切り者で吹っ飛ばして後は脳筋愛国ファイト! 殉教者もでるでー! パパありがとう! でオッケーな観客がいるんだなーという学びがあった感じ。個人的にはまあまあ辛い。

セル

 

セル(字幕版)

セル(字幕版)

 

うそやろ!? なんでサミュエルが死なないんじゃ! こんなB級な内容なのに? なんで? なんで?

と疑問に思ってスタッフを観て原作&脚本がスティーヴン・キングでびっくりする。というほどにはキングの小説読んでないけどアレだけど、まあ確かにメインアイディアの「携帯電話によってゾンビみたいになる」というのはとても良い着想だなーと感心したんだよなあ。現代社会に生きている人間に何か危険が起こったらまず携帯手に取るでしょ? 通話はするかどーかわからんけどねー。オレなら間違いなく「どーせ音声通話はつながんねーだろ」「LINEで知り合いに連絡してTwitterで自分の無事を報告しつつ情報収拾だなー」って思うけど、確かにインフラを支える側なら通話などしてコミュニケーションとろうとするであろうなあ。

まーしかし相変わらず全然怖くないのでビックリしてしまう。後半は特に単なるゾンビものになっていて、しかも感染までにかなり手間がかかるし、これなら普通のゾンビもので良いかなあって感じ。文章ならきっと怖いのだろう首輪自爆のおっさんも、映像で観ると全然タダのへんなおっさんだしなあ。極めつけはクライマックスの絵作りで、観客をああいう異世界に引っ張り込みたかったんだろうけど、別になんとも思わなかったなー。さっさと爆発こねーかなーって感じ。むしろ地名の言葉の響きとかのほうが怖かったのだった。