ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

飢餓海峡

 

飢餓海峡

飢餓海峡

 

いやあたっぷりだなー。ザ・大作って感じ。満を持して健さんが登場して「いよっ! 健さん!」と叫んでしまいます。

そんな長い3時間が、役者の迫力に押されてじーっと見入ってしまうのはさすが。三國連太郎は序盤の内面の見えなさも良いけれども、再登場時の振る舞いが最高に決まってますね。そんな役者の見所たっぷりの作品ですけど、一際印象に残るのは左幸子かなあ。物語的にもキーになるツメを抱えて悶えるシーンとか、あんなん良く成立させたよなあと感心してしまう。この人『幕末太陽傳』でもよかったしなあ。

さてさて、この映画はストーリーのつくりが大変面白くて、まあいわゆる藪の中的なアレをやっているわけだけれども、そこを徹底的に引っ張るのがすげえ大胆だよね。嵐の海へ乗り出してどうなるどうなる? で視点が飛んで刑事になって、あーやっと戻ってきたーと思ったらなんの説明もなくイタコ見てからの一人旅でしょ。で、その種明かしを3時間の映画の後半まで引っ張って引っ張って引っ張りまくる。中盤で視点が完璧に女郎側に移るあたりのつくりとかも、三國連太郎の内面を藪の中に覆い隠していて、うーん大変良くできた構成だなあと思います。

あ、あとどうでもいいけどなんかあの神社の構えは見覚えがあるなーと思って調べたらやっぱり亀戸天神だった。ってかあの辺りって以前は花街だったのね。あの付近はたまに歩くけど、全然そういう面影がないからビックリしてしまったよ。