ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

最強同士がお見合いした結果

 

最強同士がお見合いした結果 (GA文庫)

最強同士がお見合いした結果 (GA文庫)

 

あーそうそう、こういうのでいいんだよこういうので、という言葉がつい脳裏をよぎってしまう。ラノベに何も求めなすぎであろーか? こういうちゃんとしたコメディがあると私安心してしまいますわ。

最強である男女を対称の位置に置いて、それぞれの視点を切り替えながらふたりがいかに勘違いをしていかに非常識を振りまいて、でもお互いがきちんと好感を持てる常識を持っていて、というのをきちんと描写できているだけでもう私は大変満足でございます。最強というキーワードをちゃんと中心に据えてストーリーが展開するのも良心的でよろしい。妹と最強メイドというサブキャラクターも役割とキャラがしっかりしていて安堵してしまいますわ。

難癖をつけるならさすがに最後の悪役がダメで、「いやあ私を油断させると思っているでしょうでも油断しないよ無駄だよ」と自身に言わせておいて、でもやっぱり油断しているという展開はちょっと難易度高いですよね。自身の証言だけじゃその信憑性は上がらないので、もっと具体的に主人公側が困難にぶち当たるところを描かなきゃならないはずだけど、そこはスルーしてやっぱり主人公側が最強でした! おまえの見積もりが甘かったよ! という展開で、結果として敵が小物になって困難のハードルが下がってる。良くない。

とはいえその他はミスリード含めてふむふむなるほどなあと感心させられる内容で、いやあとても心穏やかに読めました。しかしこっから先はどうやって話を展開してゆくのだろーか。必然的にもっとエロにも振っていくことになりそうだけれども、ヒロインの視点がある分都合のいいコメディにはできなそうだよなあ。