ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フリーダ

 

フリーダ [DVD]

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うおー痛い。痛い痛い痛い。作中でも彼女の絵が/人生が常に痛みを内在しているみたいな言及はしばしばされるけど、それが映画全体にもこんだけ籠められているのは珍しいのではないか。観ていて大変しんどいはずなのだけれども、作品の基調はそのしんどさをゴリゴリ押し出すのではなくて、強く純粋にヒロインの生き方を真摯に描くという、人間を映画化するってのはこういうことかーと感心させられるような作品。

そもそも長い人生を辿りながら、こんなに一人の人間の愛だけを追い求めた作品はあっただろうかと考え込んでしまう。愛は決して真っ直ぐではなくお互い色々道を逸れて傷つけあうのだけれども、でも最後にはきちんと行き着くところに行き着くという、いやあなんとも強い信念を感じさせる映画で、ああこれはつまりフリーダの背骨なのだな。あちこち折れ曲がって痛みを常に伴うけれども、強く彼女の芯を支えているという……いやあ、大変にコンセプチュアルで良い作品ですねコレ。素晴らしい。ぐるっと回ってきてオープニングの映像の種明かしがされるその手管の美しいこと!

しかしロックフェラーやらトロツキーやらほんと時代を感じさせるキャラクター満載ですごいなあ。しかも時代に翻弄されたではなくて、時代を辛い抜いて生きた一人の女性の人生、という感じ。うーん、イイ映画だわ。