ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

GODZILLA

 

GODZILLA[60周年記念版] [Blu-ray]

GODZILLA[60周年記念版] [Blu-ray]

 

悪名高きエメリッヒ版をようやく観る。いやあ、このジャケット観ただけで笑えますね。マグロを食べてはいポーズ!

いやしかしコレ「GODZILLA」って名前がついているから「あれれ~?」となるだけで、冠してなかったらまあそこそこ楽しく観られた気もするんですよ。いやじゃあホントゴジラなんて名前つけるなって話ですけど。

映画のイベントはそれぞれ結構クレバーに考えられている感があって、ニューヨークの摩天楼をまさしくジャングルに見立ててその中でかくれんぼしようというのはナルホドってアイディアだし、大きいスケールだけじゃなくて人間スケールのアクションを描くために小型の敵を出すというのは『ガメラ2』とか『クローバーフィールド』とかでも行われてたし、理屈の上ではおおなるほどって思わされる点も多いのね。そもそも『ジュラシック・パーク2』のラストで中途半端に上陸した恐竜たちにオレは全然納得いってなくて、だから『キングコング』よろしくマンハッタンでガンガン暴れる絵面を見せてもらえたことにはある程度の充足感がある。

しかしそれって別に「ゴジラ」に見せて欲しいものじゃないんだよなあ。だって「GOD」は魚食ったりしないじゃん。魚につられてひょこひょこやってくるゴジラにオッケー出しちゃった時点で、原作のゴジラにあったマジックのリスペクトが全然ない作品になっちゃってるよなあ。

 

だから普通だったら激怒しても良い作品だと思うんだけど、うーん、なんでオレこんなにこの作品が憎めないんだろ? 少なくとも映画的展開を最低限に削ってマンハッタンでアクション! アクション! アクション! でスペクタクルな映画を一本語りきってやろうというエメリッヒ監督の意気込みは頭のネジ飛んでるなーと思います。普通の監督ならもうちょっと段取り踏みますよ、普通。そういうところが嫌いになれないのかもしれないなあと思いました。

 

あー、しかしこれ、911以前の作品って視点から見るとなかなか色々趣深いなあ。摩天楼を漂う瓦礫の煙のカットがあったのにはハッとさせられました。しかしその後にアベンジャーズやらバットマンやらが向き合ったマンハッタン危機とは、やっぱスケールもリアリティも全然別次元ですね。