ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

リップヴァンウィンクルの花嫁 [Blu-ray]

リップヴァンウィンクルの花嫁 [Blu-ray]

 

あー、そういえば岩井俊二ってストーリー上手いんだった、って時々思い出させられるよね。『花とアリス』とか『Love Letter』とかでもそんな風に感じた気がする。逆にいうとこの監督の映画観るとストーリーよりも別のところが印象に残っちゃってるんだろうなあ。

しかしまあ脚本が凝りまくっているかというと全然そういうわけでもないんだよね。最初の辺りの仕掛けはまあまあ簡単に予想がつくし、後半のCoccoあたりのネタもそこまで奇抜な感じでもなくあーふむふむ納得という感じ。むしろそんなストーリーを適切な肌間隔で適切にポンポンポンと並べていけるその手管がすごいのでは。

っていうかアムロみたいな難しい立ち位置のキャラクターをちゃんと人間味持たせて共感みたいなものさえ抱くことを可能にさせちゃうそのテクニックはほんとうめえよなあ。ラブホでバトンタッチする辺りの情報公開はすげえ良い塩梅で緊張感植え付けるし、電話を受けるときのシチュエーションがいちいちキャラ立てになってるし……この立ち位置のキャラがラストで脱いでちゃんと映画にマジックが発生してるのは並の監督じゃ絶対無理だよね。

一方Coccoはドストレートを投げ込むわけで、いやーそんなベッタベタなキャラで大丈夫なんですか? というのをあのキャラ一発でオッケーにしてしまうのがおかしい。家とか一瞬探して見せちゃったりするのは卑怯すぎる。そして結婚式の下りがさらにズルい。ズルいズルいズルいズルい。世の中からちょっとだけズレてドロップアウトしたふたりがウェディングドレスで向き合って決定的なやりとりをするのをあのきゃらでーあのカメラでーあのながまわしでーあーもうほんとウメーなー。

うーん3時間堪能。良き映画でございました。大満足。