ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

續 姿三四郎

 

續 姿三四郎 [東宝DVDシネマファンクラブ]

續 姿三四郎 [東宝DVDシネマファンクラブ]

 

お、これは『イップ・マン』で観たヤツだ! なるほど1945年の終戦前の作品なのね。冒頭でいかにもな悪役でアメリカ人が出てきたり、国技っぽい体裁で柔道がボクシングと異種格闘戦したり、プロパガンダ色が強い展開がブチ込まれているものの、ギリギリのところで下品になっていない感じがするのはなんでじゃろ? 最初のシーンとかボクシング観戦シーンこそ状況を煽ってはいるものの、主人公参戦の展開は結構唐突だし、勝利してからの悪人描写は思いっきり省かれているしで、やろうと思えば色々やれたはずの箇所がセーブされている感じ。贔屓目かしら?

あとまあ前作から結構無理をして色恋沙汰を遠ざけているのもなるほどなあという感じ。女性は遠くにありて思うものって感じでございますね。

柔道を極めた三四郎がボクシングとか空手とか異種格闘技戦へと雪崩れ込んでいくのも大変興味深い。まあ前作が簡単に日本一になりすぎっていうのもあるけれども、お客さんとしてはやっぱり一番強い男を観たいよねえ。ただその「戦う意味」観客と主人公で同一化するとは限らないわけで、この作品の戦う意味ってかなり苦戦している印象がある。三四郎の巻き込まれ体質と憎めない性格と柔道の状況をグチャグチャにブチ込んで、なんとか最後の決戦に持っていくけれども、正直そんなに上手くいっているとは思えないなあ。

ま、それにしたって前作のライバルを車で送るシーンが格好良すぎる。死期が近いのを悟って街を観たい、からのー、かつての想い人とばったりで「幌をかけてください」でしょ? あのやり取りだけでもう大満足でありますよ。最高。