ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ひとはなぜ戦争をするのか

 

ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫)

ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫)

  • 作者: アルバートアインシュタイン,ジグムントフロイト,浅見昇吾,養老孟司,斎藤環
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/06/11
  • メディア: 文庫
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書簡って書いてあるからどんな意見が交わされているのかなーと思ったら短ッ!! 往復書簡ではなくてアインシュタイン→フロイトの一発で終わりなのね。

アインシュタインはなんつーかその、天才って感じ。戦争って複雑な事象の原因を追求して行き着く先は世界の統一政府をつくるしかない! とクッソ短い手紙の中で一方的に並べ立てていて、うーんこの人の情熱はわかるし尊敬するけどこういう人に政治を任せちゃダメだよなあと思う。国際連盟の時代だからそういう未来への理想とか希望とかが力を持ってたのだろうけれども、それを差し引いたって過去の歴史への視座が足りなすぎって感じがする。

だからまあこの本の面白味って、そんなとんでもないボールを突然投げ込まれたフロイトが、いかに悪球を見送りつつ絶好球を打ち返すか、みたいなところにある気はする。っつーか議論の頭で自分の陥った無理ゲー状況をちゃんと開示している辺り、ほんと律儀だなーと思わざるを得ない。その後の戦争に対しての意見は、当時のフロイトの知識を援用しているもんだから、色々今のスタンダードとは異なっている部分があるのかもしれないけど、少なくとも知の態度としてはかなり真っ当なやり方に思えたなあ。

それにしても意味不明なのは養老孟司の解説で、なんか突然戦争について自説展開されても困る。パソコンとかスマホとか例にとって「現代の社会はアルゴリズムに従って成立する」とか突然言われても全く意味がわかんねーし。アルゴリズムが賭け事を嫌う? 新しいシステムへの反感がテロ? 正直言って論旨が全然読み取れないし、なんでこの話が「解説」の名を冠しているのか誰か教えて下さい。