Netflixで視聴。北朝鮮は実際どんな国？ という内容なんだけど、いやーこれ面白いよ。フェイクニュースの時代の問題意識をちゃんとすくい取りつつ、北朝鮮っていう国を題材にして真実の危うさが浮き彫りになる過程がスリリング。テレビやネットで報道される北朝鮮の姿を鵜呑みにしちゃいけないよというメッセージが心地良いバランス感覚で提示されていて大変よろしい。国家規模で幼少からプロパガンダをされているその光景が、一見幸福に見えるという事実はまあやっぱりちゃんと受け止めなきゃいけないよね。テレビ報道だとあまりのわざとらしさに「仕込みじゃね？」とか思って思考停止しちゃいそうだけど、そもそも国の現実はもっとオレたちの想像を超えていて、みたいな可能性までちゃんと提示している時点でこの作品は見る価値ある。とても良い。
にしてもさ、例えば中国だって２０年前は全然イメージ違ってたよね。現在は身近に中国人を見る機会も格段に増えたし、ネットでお互いの国の情報はバッチリ伝わるようになったし、経済的な結びつきももう議論する必要もないくらい密接になったし、まあとにかく全然距離感が違うワケで、するとそれだけでお互いの理解度って全然変わってくるよねえ。極端な情報ももちろんガンガン流れているけれども、「まあ一応そういう説もありますが」くらいの中立を取ろうとする努力はできるわけでしょ？ でも、今の北朝鮮に関しては無理だよなー。中立を取るための情報そのものがないんだもん。そしてその情報のなさは思い込みと拒否感を掻き立てるよなあ。
