ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

見えない恐怖

 

見えない恐怖 [DVD]

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これは……『ドント・ブリーズ』だ!!←逆です。

まーなんといってもミア・ファローの映画でございます。まーぶっちゃけなにが起こるかって大体想像がつくわけで、盲目の女性が一体どうやって大量殺人に気付くかどうかを引っ張れば引っ張るほど彼女のアクションに注目してしまう構造。血まみれの死体の隣で寝ておきながら臭いとかで気付かないとかそんなのありえる? とかいうツッコミも、まあ巧みな? というよりあざといカメラワークで軽やかに交わしていくわけですね。

でまあ、溜めて溜めて溜めまくった後、死体に気付いてカメラがいきなり傾いて物語が急激に動き出すわけですが、すると盲目のミア・ファローが危なっかしくもアクションを始めちゃうわけです。盲目で階段転げ落ちる! 盲目でガラスを踏む! 盲目で馬小屋に逃げ込む! 盲目で馬に乗る! 盲目で森を彷徨う! 盲目で監禁される! 盲目で坂を転落する! 盲目で泥にまみれる! いやー、ほんとたまらんですわ。目が見える人間だって殺人鬼に追われりゃ恐いところを、目が見えない人間を中心に据えて描くなんて鬼畜な所業を、しかも泥だらけのミア・ファローでやっちゃうんだからなあ。あの体当たり演技に見入らずにはいられません。っつーか美人ですねミア・ファロー。

でもだからこそ、ラストの悪役の説得力不足にはガッカリしたってのが正直なところ。盲目のヒロインに共感させるために、観客にも後半まで悪役の顔を見せないんだけれども、いやでも全く相手の姿がわからないのと、思わせぶりに足元だけを映すのとは、その期待度の煽り方が全然違うわけじゃないですか。あそこまで期待させておいて、それに見合う悪役の顔とは思えないもんなー。意外性のある脚本はビシッと決まっていたけれども、もうちょっとこう説得力があればなあ、と思いました。