ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ドクトル・ジバゴ

 

ドクトル・ジバゴ アニバーサリーエディション [Blu-ray]

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デヴィッド・リーンってすげー監督だなあ。『アラビアのロレンス』もそのスペクタクルと長尺に度肝を抜かれたけど、アレはまあ民族的なバックグラウンドがあるし、なにより戦争物じゃないですか。だからまあアレだけ予算かけるのもわからんでもないと思うんですよ。でもこの映画って、最高に地味な話じゃないですか。ロシアのくそ寒い風景をバックにして、ひとりの男が愛とロシア革命の狭間で翻弄される姿を追っかける様を、この長尺で普通撮ります? それでコレだけ面白く興味切らさず観れます? いやー、ワケわからんわこの監督。『戦場にかける橋』が全然ダメだったのは一体なんなんだろう。オレのコンディションの問題なのかしら。

ストーリーは結構ご都合主義で、いやそこでその人に会うのかよという偶然性によって支えられているところがあるけれども、その都合さえ運命的な恋愛を成就させるための必須パーツとして利用されていて、あーうんそれはしょうがないよねーと納得させられている感じ。なにより主人公のストイックな生き方に大変好感が持てて、捕虜になって脱走した後の雪原放浪シーンの説得力が堪らない。ロシアの大雪原をポツンと歩く主人公の姿は、アラビアの砂漠とか『砂の器』とか思い出しちゃうよね。まーこの男なら浮気したってしょうがないよね(しょうがなくない)。

しかし終盤、雪に覆われたあの屋敷の美しさはすげえよなあ。全てを捨覚悟をしてあの屋敷に入って詩を作る……うーん、なんでこんなに感心させられてしまうんだろう。この長尺で人生を追いかけてこなかったらきっとこんな感慨はなかったんだろうなあ。

うーん、とにかく言語化できない監督だ。