ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

セルピコ

 

セルピコ [DVD]

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シドニー・ルメットは社会派だなあ。硬派だなあ。正直あんまり好きではない監督で、いやあもうちょっとこう映画として「おっ!」となるシーンがあってもいいんじゃない? とは思うんだけど、それでもコレだけ見せられてしまうんだもんなあ。

にしてもよくわからないのはアメリカの警官の立ち位置で、いやマジでそんな仕組みで利益をプールしてたとかあるんですか? さっぱりわけわからんなあ。私服警官とか金バッジへのコダワリってサッパリ分からんしなあ。そこら辺の実感が微妙だからセルピコの生涯かけて汚職と戦うニュアンスをだいぶ受け取り損ねている感じはする。アメリカ人にとっての正義がこれだけ何度も映画の題材になるのも、そこら辺の生活の体感が関係しているのかしらねえ。

信念の男、ではあるのだけれども何度も揺らぐ主役の立ち位置が面白い。盟友が失敗するたびに怒鳴り散らし、彼女に振られては取り乱し、自分の命が惜しいと泣き喚く人間臭さは、ともすればこの作品にとって致命的になるはずで、そこをアル・パチーノのアル・パチーノ力が繋ぎ止めている感じ。