ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

カットバンク

 

カットバンク(字幕版)

カットバンク(字幕版)

 

予測不能! というコピーは確かにその通りで、こういう田舎町を舞台に地味な面々でシンプルな話を語ろう、というのは大変好感が持てる。導入は大変良くてストーリーもそこかしこで捻りが入っていて、語りすぎない語り口は大変良い感じ。理屈から言って好きにならない理由はない、ように、思えるんだけどなあ。なんでこんなに乗り切れないんだろうなあ。

主人公に感情移入出来ない、とかいうのは確かにあって、正直最後まで観ても彼がどんな奴なのかイマイチわかんない。物語の仕組み上どのような役割を負わされていてどうやって動かされている、というのは分かるが、しかしじゃあこういう事件がないとき彼はどんな行動をとるヤツなんだ? というのが想像できない、というか想像しても面白くねーなーと思ってしまう。別に共感する必要はないのかも知れないけど、どんな奴かその行動を見たいとか思えないのはどーなのかなあ。

一番キャラが立っているひきこもりの人は悪くなくて、あまりにもロジックが異なるその行動原理なんかは説得力がある。しゃべれないネイティブのメモの下りとかはとても良くて、こういう気の利いた演出をいくつ積み重ねられるかが勝負なんだろうなあ。でもアレだけ立てた以上は、ラストもう一踏ん張りしてもらいたかったのが正直なところでありますね。