ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゴースト・イン・ザ・シェル

 

全然話題になってねーからあんま良くねーんだろーなーと思っていたところ想像以上にひでー映画でビックリした。それっぽいシーンをなんとなーく実写でオマージュすりゃファンが喜ぶとでも思ってんのか? 理解力低すぎねーか?

いやまあ、これはアニメ版が偉大すぎるから偏見アリアリなのは当然自覚してるけど、それにしたってあの作品は「犬」「魚」「鳥」を巡る作品なワケ。やけに水面に反射が映るあのOPを見ただけで、「うおーそうか反射で魚と鳥を口づけさせるなんてなんて素晴らしい趣向なんだ!!」とか勝手にひっくり返っちゃうの! それを! それを! それを! ぬわあああああああああああにが猫派だアホか!! アニメ版を百遍見直してから出直してこいや!!!!

というのはまあアニメ原理主義者のあまりに偏屈な意見なんでさておいて、無心に作品を見ようとしたけどいやしかし無理だよやっぱり。水面上でのあの美しいバトルがの空/街/水と構造化されていてその前のビルの谷間を横切る飛行機の影の明確な暗示だとか、船上で語られる『イノセンス』まで繋がる犬/バトーの水恐怖症だとか、そういうあまりにも素晴らしい暗喩の効果を丸無視してガワだけで作られるなんちゃってオマージュに、私ひたすら憤怒でございます。

もちろん映画として超どうでもよくてダメなシーン満載で、唯一「オッ」と思えそうだったポールダンスシーンも全然良く撮れてないもんなー。謎の強さを発揮しちゃってるビートたけしシーンも、そもそもあの人が戦闘に巻き込まれること自体が組織の格を落としちゃってると考えなきゃダメでしょ。

そしてなんといっても、テーマが単なるアイデンティティの探索とは……いやまあ今更都市とネットと人間の意識を繋げるなんて古風なやり方はアレかもしれんけど、『ブレードランナー 2049』が大変力強くそのテーマを紡いだのを見た後だとなー、ホント呆れるわ。