ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男

 

ロバート・アルトマンって初めて名前を聞いたときからある種の尊敬を集めているみたいに見えたんだけど、作品を観てもその偉大さがイマイチわかんねーなと思っていた。『M★A★S★H』とか全然のめり込めなかったし、『ザ・プレイヤー』とか『ショートカッツ』も面白いけど別にそんなすげー巨匠とか言うほどのものなのかしら? というのが正直なところで。そもそも自分、この監督の映像の感じがあんまり好きじゃないってのもあるし。

なんでこの人がこんなポジションに? という疑問からドキュメンタリーを見たんだけど、まあ色々納得納得。最近過去の名作でなんどもぶち当たる、当時は革新的だけれども今は当たり前の演出、みたいなのにチャレンジした人というのがまず前提としてあったのね。「役者が同時に話をして会社を辞める」とか今から考えるとマジで意味わかんねーよなあ当たり前の演出すぎて。あとフェイク・ドキュメンタリーに大変興味を持っているので『タナー・88』を観てみたい。状況とか文脈とかを学ぶの大変そうだけど。

しかし映画を観ているとこの監督の真の偉大さはたぶんその創作意欲にあるんだろうなーとは思う。コケても疎まれても立ち止まらず場所を変え映画を撮り続けるその意欲。かなり高齢で心臓弱っても、移植手術してとり続けるわけでしょ? でもねえ、命を削って映画を撮り続けなければならない狂気、みたいなのは映像からあんまり感じないんだよねえ。ハリウッドと戦い続けた男とは思えない軽さみたいなのはなんなんだろうなあ一体。『ザ・プレイヤー』とかからはもっと偏屈なキャラクターを想像しちゃったけどなあ。いやあ、面白い監督だなあ。