ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スポットライト 世紀のスクープ

 

真っ当に面白い映画だなあ。新編集長がやってきた時の立て方の適切さが堪らない。劇的ではなくさりげなく押しつけがましくない範囲でサッと印象づけるあの感じ。いやはや実にスマートですね。たくさんの人間が登場して色々な出来事が平行して行くにもかかわらず、テンポ良い編集でスパッスパッとそれぞれの問題が頭に入ってくるのも大変素晴らしい。しち面倒くさい陰謀なんかではなく、教会が起こした幼児への性的ないたずらを暴く記者たち、という基本構造がまあわかりやすく強力だったってことだろうなあ。普通だったらもっとあの変わり者の弁護士を深堀りしそうな所だけれども、周囲の人間にもまんべんなくドラマを作ってるもんなあ。いやー素晴らしい脚本。

派手なところはあまりなくてクロスカッティングやら何やらで映画的に見せる作品ではあって、いやホントに基本に忠実ですねって感じ。クリスマスのダイジェストはもう恥ずかしくなっちゃうくらい決まってるし、1度は拒否した後の呼びとめとかもうベタベターなヤツをバッチリ成立させちゃってるのはすごいと思います。

あとなんといっても白眉はラストのリストだよなあ。感動的なクライマックスを経て、最後に添えられる都市の数が何よりも雄弁で、彼らが暴き出した犯罪行為のすさまじさを印象づけるという。