ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

哀愁

 

哀愁 [DVD]

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いやあ、どうすんのこの話全然救われない展開なんですけどどうやったら……と思ったらマジでひどく救われない話でビビる。いやまあわかる、わかるんだけどさあそういうのがある種の感情を喚起するのは。でもさー、あんなミラクルが起こるような御守りまで持たせ解いて、哀しい話でしたはい終わり、さあ泣きなさい感動しなさいみたいなのは、だいぶ悪意を感じてしまってどうもねえ。例えば戦死のくだりなんて、もう偶然に偶然を重ねてまでああいう悲劇の舞台を整えちゃってるわけじゃないですか。そういうつくりで悲劇を演出されても、どうもこう作者の都合が見え過ぎちゃってなあ。

なんて思いながらもガッツリ見入ってしまうのは、まず何よりもビビアン・リーだよなあ。さすがにこの時代の映画って飛び飛びでしか見てないので、ビビアン・リー主演の作品ってたぶん『風と共に去りぬ』くらいしか見てないんだけど、説得力がやべーやべー。時間経過があってガラッと性格が変わって、さらにそこから希望を抱き希望を失い……という変遷をバッチリ演じていらっしゃいますね。ラストの橋の上のシーンなんかはその演出と合わせて恐ろしい迫力を感じざるを得ませんよ。

あ、あと「蛍の光」バックの蝋燭消しシーンとか、すげえ印象に残りますね。モノクロ映画だからこそかもしれないけど、ライティングってこんなこともできるのかーと感心させられます。