ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マジェスティック

 

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フランク・ダラボンの映画が全然合わない私、まあ『ミスト』やら『グリーンマイル』みたいな映像・演出に対する違和感はそんなになかったけど、この映画もやっぱり根本の所で乗り切れないモノを感じるのだった。

いやだってさ、裁判パートでも失笑が巻き起こっているけど、「偶然赤狩りで裁判を控えた人間が」「偶然事故に遭って記憶喪失で」「偶然似た人間が帰ってこない街へやってくる」という三重の偶然性をそのまま受け入れろ、それが物語の前提だ、というのは自分には絶対無理。なにその感動の物語を創りあげるために積み上げられたありえない偶然。普通物語ってその偶然がいかにして「ありえるかも」って納得いくように細部を積み上げていくモノでしょう? それを合衆国憲法の誇りで上塗りしようとしたって、私そんなのこれっぽっちも乗れません。『ショーシャンクの空に』でも「あー感動のために色々創りあげられてコントロールされてる世界だなあ」という感想が鼻についてダメだったけど、この映画はさらにそこら辺のコントロールがひどいことになってるよなあ。実はハリウッドで脚本家になる以前に戦場で記憶喪失になってて、みたいな話にするのかとドキドキしちゃったよオレ。だってそれ以外この偶然性を納得させる方法なくないですか? だって映画好きまでかぶっちゃってんだよ? 感動のためにならここまでストーリーを都合良く操作して良いの? マジであり得なくない?

あと、映画を中心に据えており、主人公が脚本家であり、成り代わりの物語である、という虚実をテーマにせざるを得ない内容にもかかわらず、クライマックスの決断が虚が実に救われるような展開になっているのはマジでちょっとあり得なくないですか? 現実がありえべからず非情さをもって迫るとき、それに対抗すべく語られるのが虚構の物語なワケでしょ? あそこで主人公が脚本家スキルを発動させて問題を解決しないのは物語構造から導かれるテーマを見誤っているとしか考えられない。ってか、あんな超ベーシックな論理で覆される赤狩りってどんだけ薄っぺらいのよ?

いやほんと、フランク・ダラボンの映画は合わなくて困ります。