ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者

 

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者 (人物文庫)

 

小説、というのがタイトルにあるとおり小説で、特に子ども時代のエピソードなんかはいかにも読み物って感じなもんで苦戦するかなーと思ったんだけど、まあ話が進めば息つく間もなくズンズン読めるのだった。まあ自分がここら辺の日本に興味があるからかもしれないけれど。

何より一番印象に残るのは「調査」だよなあ。様々な機関や立場を渡り歩いた後藤新平だけど、どこに行ってもとにかく調査、調査、調査。即効性のない調査に予算をかけるのがどれだけ大事かってのが、本当によくわかります。現代では当たり前でありがたみさえ感じない衛生に注力したのもすげえなあ。あとは人材か。まあ色んなところで観たことのある名前がドンドン出てきてビビる。これだけのビッグネームでありながら、ワンマンではなく人材を活用することを重視していたから、あれだけの事が成し遂げられたんだろうなあ。

台湾・満州辺りの影響は色んな本を読んでちょくちょく触れていたし、あと鉄道で広軌を主張したって話も聞いたことがあったし、さらにはなんといっても関東大震災の復興話目当てで読み始めたようなもんだけど、いやー、なんかもう改めて手広く色んなことをやっていて驚くしかない。この人がいなかったら、たぶん東京という都市は全然違うかたちになっていたんだろう。大変面白かった。