ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

神々の歩法

 

神々の歩法 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

神々の歩法 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

 

『ウは宇宙ヤバイのウ』も普通に「あーSFのひとだー」って内容でございましたが、あーガチでシリアスに描くとこういうお話になるのね。自分ちゃんとSFを読んでないので単純にうおーおもしれーと思いながら読んでしまったよ。

『ウは宇宙ヤバイのウ』で一番面白かったのはとんでもないモノを食べるあの描写のトンデモ感で、あーこれは映像表現が大変な文章ならではのワンダーなんだろうなあと思ったんだけど、この小説はその感覚のオンパレード。序盤の3Dエフェクトゴリゴリの映像的にチョー生えるバトルが描けるんだろうなあって銃撃戦もメチャクチャ素晴らしいけど、真骨頂はそこから先の「人間には知覚できない感覚の描写」よね。三次元空間からの飛躍はたぶんSFだとちょくちょく行われていると思うんだけど、自分はあんまり耐性がないものだから、文字情報から誘発させられる新たな世界のイメージに興奮でありますよ。そうかー文章ってこういう使い方ができるんだなーと感心させられた次第。

美少女ヒロインの能力目覚めでのノーコントロールの人殺しなんてベタベタな題材をメインに据えつつも、こんなエンタメ値高く描ききるのはすごいよなー。解説にもありましたが、物語もきちんと畳んでちょっと綺麗に畳みすぎかなーってくらい。いやはやおもしろい。