ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

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あーこれ宮藤官九郎脚本だったのね。自分ドラマは見ないもんで全然気にかけてなかったわ。評判が良いのは知ってたけど、いやー道理で。

とは言いながらもOPでいきなりずっこけたというのが正直なところ。宮藤官九郎の映画って普通の映画脚本とはリアリティが違うので、その独特の世界観を映画というフォーマットに落とし込むのに苦労するよねえ。この映画もOPの早回しでその空気をなんとか表現しようとしているけど、うーん、音楽や映像を始めあんまり上手く演出できてるようには思えないなあ。いや頑張ろうとしているのはわかるんだけど、わかるんだけど……なんだろう。映画っぽさに引きずられちゃってるのかなあ。

例えばバスケットボール大量投げ&ワイヤーアクション飛び越え失敗という二大ベタベタ幻想シーンを結構真面目にやっちゃってるのは、うーん恥ずかしくないですかアレ? 宮藤官九郎の脚本ってあのクソ真面目さを良い感じに外すのがポイントなワケで、その外しポイントがわかってないってことなのかなあ。父親の汚い海発言のさらっと流されすぎの感じとか、あとタクシー車内のダッセーを良い音楽を止めるという当たり前すぎる演出とか、そこら辺は雑だよなあ。

しかし一方で映画的なシーンがメチャクチャちゃんと撮れているなあというのは手放しで言えて、柴咲コウ登場シーンの落語&スローモーションという時間の流れが異常な空間構築はもう素晴らしすぎて感激した。なんだかんだ告白シーンや殴り合いシーンの極端なライティングも上手いことハマってるよね。

でもなー、それらを支えてるのはやっぱり脚本だよなあ。ジョンイル死後の20円発言とか、細かい台詞回しがメチャクチャ上手いのは当然なんだけど、やっぱ構成が抜群だよなあ。警官シーンとか物語的にはかなり唐突なわけで、でもあそこにアレが必要だっていう言語化しがたい納得感があるよなあ。きちんと細々としたエピソードも回収して、いやあさすが堪能させていただきましたって感じである。