ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

僕らの戦争はまだ終わっていない

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NATOがいなくなってもまだオレたちの戦争は終わってないよ今もこんな状況だよ、というドキュメンタリー映画なのだけれども、なんというかその、切り口がない。もちろん日々は一触即発の緊張に満ちていて彼らがどんな動機で軍隊に入って余所者をどう思っていて、見たいな細部は見応えがある、あるんだけれども、その細部がどうも頭に入ってこない。ショッキングなシーンがショッキングなシーンのまま目の前を素通りしていく。これはどうしたことだろうと思う。

色々考えたのだけれども、もしかしたら自分はここで語られる日常をどのような物語として受け取って良いのか途方に暮れているのだと思う。もしかしたらその細部の知識があれば部品部品を掻き集めて何かの物語をくみ上げることもできるのかもしれない。でも自分には、このいつまで続くとも思えない日常、しかしいつか終わるかもしれない日常を、明確な意味をもって位置づけることができない。でもそりゃそうだよね。今渦中にいるその戦争が終わってないんだから。

でまあちょっと話を広げすぎだけど、ドキュメンタリーはしばしばひとりの人間の生涯に焦点を当てて、誕生時のエピソードから語りが始まるけれども、あれってつまり人間の人生が物語としての機能を請け負っていることと強い関連があるんだろうなあ。人の人生には因果関係があり、その因果関係こそが物語であるという前提が、あの形式を支えてる感じがする。