お! お! だんだん面白くなってきた!
1巻の時に「これは警察組織に興味がないと面白くないかなあ」なんて思って敬遠してたんだけど、考えてみりゃ自分も警察には興味ないけど組織には興味あるんだった。というか多かれ少なかれ人間は全て組織に属しているわけで、そうするとまあ割と普遍的なテーマであるよなこれ。
ということで本作品、前巻と打って変わって一風変わった殺人者がメインになって、犯罪の構図もかなり特殊で興味深いんだけど、そっちの方にはそこまで深入りしないのがいいよなあ。主人公は犯罪そのものの謎を究明するよりも、むしろ敵が防衛策として仕掛けた罠にどう対処するかが本筋になって、おーなるほどこういうアングルもあるのか、とても楽しくなる。前巻まで「ちょっと上滑りしているかなあ」とも感じていた主人公の正義感と警察官への理想が、組織をテーマにすることで一気に鮮やかに見えてくる感じ。実際主人公の置かれている微妙な立場らしいものって、警察組織の論理がわからんとイマイチぴんとこない所が多かった。まあこの巻でもそれがはっきりわかったわけじゃないけれども、主人公が職を奪われるというある意味遠回しな策略が、主人公が殺される危機よりもよほど厳しく迫ってくるのがとても良い。
いやー、これは続き読まねば。