ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

34丁目の奇跡

 

あーだめだオレこういうのに弱すぎる。フィクションが現実の中でどのように必要とされるか問い直す話を、サンタなんて題材でこんな真正面からできるなんて、まさにコロンブスの卵だよ。ストーリーの山場である裁判の辺りの虚と実の鬩ぎ合いのなんと素晴らしいことか! 超常現象をギリギリで控えるバランス感覚でどのように決着をつけるのかと思ったら、裁判制度やその背後にある国家が神という概念なしで存在しないという、すげーアクロバティックで危うくありつつもアメリカ国家の根幹である概念まで掘り起こしてきて、いやーこれすごい映画ですね。ゴッド・ブレス・アメリカ。個人の信念や夢を決定打にするのが難しいつくりにはなっていたけどさー、まさかそこであんなロジックを持ち出すとは……国家の根幹に神の存在が織り込まれているからこそできる逆転ホームランで、アメリカってすげー国だなーと思わされました。

ラストのしつこいくらいの奇跡の話は内容的には結構予定調和のフィナーレで、そこに何かしらのサプライズがあっても良かったかなあ。しかし最後までサンタを人間かも知れないギリギリのラインで書いていたのは本当に素晴らしい判断だと思います。

というかサンタをそれとなく信じさせるエピソードのつくりが本当に上手いよなあ。手話の描き方なんて、もうベタベタだけれども、やっぱ泣いちゃうもん。すげーなー。