ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ダブル・ジョパディー

 

なんだろーねこの時代が醸し出すいかにも感じは。「このアイディアを使ってこうお客を引っ張りこむんだ! 冴えたアイディアだろう? あとはここらへんの役者を使ってなあなあで……」ってイメージ。

序盤から仮出所あたりのデキは、やっぱり抜群に力強いんですよ。色々ツッコミどころは浮かんで、「ヒロインの行動読まれすぎじゃないですか?」とか「第三者が活動しだしたらどうするんですか?」とか色々あるんだけど、でも「ダブル・ジョパディー」という概念を手に入れた途端、ヒロインが復讐の時に向けてトレーニングを始める、あの瞬間の高揚感には全てヤボになっちゃうわけですよ。あのシーンがあるだけでもう満足ですよ。満足。

でまあ、そっから先は言ってしまえば大変な引き延ばしと蛇足で、ヒロインが復讐のための狂気を見せたのってフェリーから車で飛び降りたあのシーンくらいじゃないでしょうか。っていうかクライマックスの銃撃戦でヒロインが自ら引き金を絞らないとかマジでヌルすぎる。息子の居場所なんてそんなもん殺してしまえば必ず連絡が行くわけです。刑務所であんなトレーニングをさせられておいて、しかもダブル・ジョパディーという免罪符まで持っておきながら、何故殺さないのか。ついでに夫もなんで銃の有無も確認せずに棺桶に閉じ込めてその場を去ってしまうのか。中途半端なヒューマニズムが作品をダメにしてしまっていると思いますはい。