ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

新宿鮫1

 

新宿鮫 新装版: 新宿鮫1 (光文社文庫)

新宿鮫 新装版: 新宿鮫1 (光文社文庫)

 

不夜城』が劇的に良かったので、じゃあその近辺の……ってことで読み始めたんだけど、うーん、思ったよりもピンとこない。『不夜城』は新宿という街そのものの裏側に根を張っている目に見えない力関係とその仕組みが興味深くて、キャラクターが必然性で動かされていく感じが大変面白かったんだけど、この小説においてその役割を果たすのが警察組織のアレやコレやなんだろう、というのはわかる。で、そこら辺の雰囲気がかなり頑張って描かれていて、好きな人は好きなんだろうなあ、でもオレ全然興味ないんだなあ。

あとは結構ストーリーの語り口の問題もたぶんあって、主人公の行動がラストになって返ってくる辺りとかかなり理知的な脚本で、ヒロインのライブがクライマックスになるようなお行儀の良さがどうも気に入らないなあ、ということなのかもしれない。アウトローを描く小説であるならば、脚本の線も思いっきりブン回して欲しい。いかにも伏線の狂言回しというような警察マニア君の描写も、いかにも遊びという範囲を出ないままに作品を的確に彩っていて、想像の範囲内にピッタリ収まってしまっている感じ。

続きを見たいと思える魅力が主人公にあるかと言われると、うーん、微妙だなあ。シリーズも長いし、こっから先どうしよう……迷う。