ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

はじまりのうた BEGIN AGAIN

 

ストーリー的には本当にたわいもない話で、興味を剥がさないために時系列を弄って所々回想を挟めなきゃいけないくらいなんだけど、いやでも今思い返すと適切にキャラクターへの興味を呼び込んでいて良い変更だよなあ。恋愛関係と親子関係を並列に走らせてきちんと物語に結末を儲けるメインのストーリーラインも、奇をてらわずに本当に適切。素晴らしい。

ほいでもってちゃんとストーリーに引き込んでから、きちんとこの映画ならではのマジックが機能していて、それは脳内で始まるアレンジだったり、外でゲリラ的に録るアルバムだったり、留守電に吹き込む即興曲だったり、あとは二股で聴くプレイリストのシーンであったり……この映画ならではの素敵なアイディアをコレだけ入れられたら、もう大満足でございます。

にしてもなー、二股イヤホンのシーンは本当にハッとさせられたなあ。日常の風景に音楽を載せることで全く別の意味を持たせる、っていうのはある種の編集なんだけど、その編集作業を恋人同士で聴くことで、ふたりにしか見えない世界の切り取り方が可能になるわけで、いやそりゃすばらしく雰囲気が出るよね、うん。