ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所

 

大統領選以降のアメリカを探るシリーズ。色々見たり読んだりしたけれども、これが一番今の状況をうまく説明できる気がする。

まず一番驚いたのが「ゲーティッドコミュニティ」のカジュアルさ。どことなく話では聞いたことがあって、「へーアメリカって富裕層がそこまでやるのかやべーな……」とか漠然と思っていたんだけれども、この本によるとゲーティッドコミュニティはかなりたくさんあるらしい。家もそんなに高すぎはしないらしい。マジか。でも市民の自治の意識が日本なんかのあり方とは全く別レベルで高いのは、アメリカという国家の成り立ちを考えればなるほど納得できるよなあ。

最後にまとめられているように、9のコミュニティはそれぞれ様々な意味で象徴的であり、いやこんなに多様性があるのは確かに面白いなあ。普段ハリウッド映画からは見えてこない衰退していく地方の状況もきちんと押さえてあって、そうそうこういうのが読みたかったんだよって言う感じ。

あとは政治だなあ。どの地域にも経済の問題が密接に絡むというのはまあ納得だけれども、ことある毎に共和党民主党への言及が挟まって、あー二大政党制ってこんなにも地域に根ざしてるんだなあと改めて納得。

しかし文章がとても気持ち良くて、それぞれの章の冒頭と末尾、筆者がコミュニティにやってきて出て行くパートの随筆が大変良い。