ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ソシャゲライター クオリアちゃん -恋とシナリオと報酬を-

 

 

ソシャゲは好きですか? ぼくはあんまりやってません。

anond.hatelabo.jp

っつーことで、増田で触れられていたので読んでみた。

 

あー、憐れだなあ。憐れ。本当に憐れ。憐れとしか思わない。

 

いや、まず根本的につまんないんですよこれ。ああそう、ここをこうしてこうしてこうしたいのね? あーそうプロット通りに書いたのね? で? だから何? って感じ。熱い話? いや、まあ、熱い話にしたいんでしょうね。その作意はきついほどに透けて見えるよ。でも、作意が見えるのと、実際に熱いと感じるかは別だよね? だから巻末の推薦文も「熱い!」としか書けないんじゃないの? 

 

togetter.com

 でね、思うのはね、ソシャゲでそんなに箔がついているライターが書いてコレなのかってことで。これで面白い作品だと思ってるのか。売れないのは作品のせいではなくて売れるための方策の欠如だと思っちゃってるのか。マジか。正気か。アマゾンレビューとかも変な感じだし、誰かちゃんと言ってあげた方がいいよ。この作品、普通に詰まんないよ。ほんとに。

 

 

さておき。

作品の最後に描かれるんだけど、読者を喜ばせることよりも、クライアントに評価されることの方が価値ある報酬として機能してるのね。シナリオへの対価がアップすることがわかりやすい目的になっちゃってる。いいよね数値化される評価って。彼らたぶん、ユーザーにどのようなゲーム体験でシナリオが届くかとかにはあまり興味なくて、重要なのはソシャゲ製作ってルールの中でどれだけ有用な駒になるかってことで、それ以外の価値観は重視されてなくて、作品単体の面白さとか基本問題にならないの。びっくりするくらいどうでもいいの。

例えば、主人公がヒロインに啖呵を切って「自分一人でシナリオを完成させる!」って誓った最後の山場で、でも結局締切に間に合いそうにないときに、ヒロインに頼っちゃうのね。アレだけ必死に願掛けしたのに、あっさりそれを翻しちゃう。それがなんでかというと、この作品の世界では「締切を守ること」が絶対条件なの。曲がんないの。「クライアントに泣きついて、締切を延ばしてもらって、それでも作品のクオリティを上げる」とかは想像力の範疇を超えるの。そこまでして良い作品を追求することはありえないの。時間を戻すなんて超常現象を持ち込んでも、守らなければならないの。不可侵なの、締切。

 

「ルールに適応してやれるだけのことをやること」と、「面白い作品をユーザーに届けること」の間の距離が、絶望的に、広い。

でも、作品の中で、その距離は問題にすらされていない。

 

シナリオライターが普通に持っている技能を臆面もなく「超能力」として描いて、突然繰り出されるキャラクター大喜利に反射神経で答えることを最適解にして、ギリギリで提出したシナリオのデキを主人公たちは肯定して、それが世界に祝福されてるんだもん。そういう価値観を善として作品全体が描かれてるんだもん。実績のあるソシャゲライターがソシャゲライターのあるべき姿として記してるんだもん。

作品の善し悪し以前に、もうね、憐れすぎるよ。コレを信じて作品を書いている人がいるのなら、オレはもう何も言えないよ。ただただ憐れみの視線を送るだけだよ。それだけしかできないよ。

 

いやさ、こんな仕事するくらいだったら、主人公は真面目に勉強して公務員なってクオリアちゃんを食わせてあげなよ、マジで。