ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

エロチック街道

 

エロチック街道(新潮文庫)

エロチック街道(新潮文庫)

 

筒井康隆はイマイチよく偉大さがわからなくてSF御三家とか断筆宣言とかタモリと親しかったとかラノベ書いたとかまあそういう漠然としたイメージしかなかったし、今まで読んだのも『時をかける少女』とか『家族八景』とか『大いなる助走』とかあとSFの短編集とか、そういうナンセンスとかはあっても基本的に見た目は面白がれる小説ばっかりだったので、いやこの短編集にはおったまげました。いやーすごい。文字とか弄ってドヤ顔している場合じゃないなあ。小説という媒体でこんなにも自由な発想ができるのかー、と終始感動しっぱなし。「ああタモリとか最初はこういうことをしてたんだろうなあ」とかも思うよね。

あとはビックリしたのが「ジャズ大名」で、映画を先に見たもんで「なんだか音符とか使ったりなんかして小難しい話なんだろうなあ」と思っていたのが、小説はなんだか凄まじく感動的なエンタメ小説になってたこと。異文化に触れて音楽を軸にコミュニケーションを取る、というのはまあ間違いのないセンなんだろうけど、そこにジャズの知識が不思議なくらい効いていてやっぱこういうディテールが聞くんだよなあ。で、クライマックスの過剰な演奏からの維新の晴れ晴れしさ! いやー魔法だなあ……