ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

俺はJ・J・エイブラムスを信頼している。ミッション・インポッシブル、スター・トレックという偉大なタイトルで、彼はそれまでの作品に対するオマージュを完璧にやってのけた。でも、彼の素晴らしい点は単に懐古主義ではなく、過去の作品を再解釈して現代的な問題提起を行い、極上のエンターテインメントに仕立て上げたところだ。ミッション・インポッシブルでは家族の問題をクローズアップさせ作品の中心軸都市、スター・トレックではサンフランシスコの街並みを破壊し911を彷彿とさせる映像を撮っている。過去作に新たな文脈を付け加えて再解釈を試みるその勇気に、俺は毎回拍手喝采を送った。
翻るにスター・ウォーズはどうだ? 配役の妙は確かにあり、現代風にアップデートはされている。だが、映画内にひとつでも、見たことのない映像はあっただろうか? この巨大タイトルに挑むこと自体が大きな挑戦であるのは間違いないが、しかしそれを超えて何かを成し遂げる意志が、俺には全く感じられなかった。襲い来る既視感の嵐に、心底腹が立った。おい監督、アンタはこんな映画で良いと思ってんのか?
幸か不幸か、スター・ウォーズのシリーズはまだ続く。次回作を見たあと、「監督はこれをやりたいがために第一作はファンサービスに徹したんだね」と思える作品が出て来ることを、心から期待している。

しかしなあ、ラストの見え見えで想像力をひとつも超えない展開は、はっきり言って閉口だよなあ。っつーか、あの関係をラストまで引っ張れなかったのかなあ。正直関係性が明示された時点で、それまでの律儀な伏線も含めて、ああなるの見え見えじゃないですか。あの破壊劇だって旧作のドキドキを全然超えられないんですよ。っつか、なんであのシーンがあんなに間延びして見えるんだろう。MI3の序盤の一瞬も気の抜けないあの展開を期待してしまうのは、的外れなのかしら。