ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

クリープ

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公式サイトもDVDも見つからない。Netflixで視聴のPOV映画。

やっぱりカメラワークにはすげえ文句があって、基本的に「ビックリ脅かし」が映画の大きな魅力になっているんだけど、驚かしかたが「撮影者」と「映像」で乖離しているのがすげー気になる。不自然な箇所で(ビックリさせるために)カメラをズームしたり、あと驚かせるためだけに画面をサッとパンされたりすると、「いや撮影者そんな不自然な動きしないでしょ」って大いに冷める。

が、この映画のPOVについて不満だったのはそこだけで、こういう映画で普通問題になる「なんでコイツ日常的に動画で記録してるの?」という点は別にスルーできたのは不思議。なんなんだろうコレ。いや普通「そこビデオ撮らないだろー」って突っ込んじゃうんだけどね……

とかまあ、POV映画として見るべき点はそこそこあるんだけど、やっぱりこの作品の良さはホラーのスケール感だよなあ。ゲイのおっさんホラー。『メタルヘッド』とかの、「日常に滑り込んでくる日常の恐怖」。ぶっちゃけあのおっさんのゴリゴリ感がこの映画の全てと言ってもいいのではないだろうか。いやほんと、あのキャラクターだけで一本映画を撮り切っちゃうのは本当にすごいと思う。意味のわからないゴミ袋とか、包丁を無視してぬいぐるみを破くリアリティとか、ほんと参るもん。

ヒキのクライマックスのショットとか、もう全然成功しているようには思えないんだけど、もうそんなの全然どうでもいいや、とか思えてしまうのがすごい。POVショットがいかにリアリティの構築に寄与するかの証明みたいな映画でした。