ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

聖の青春

satoshi-movie.jp

原作が偉大すぎるってのもあるけどまあ普通にダメでしょう。全体的にいかにも「ストイック」でそれっぽく撮ってあるのがちょー上滑りしていて厳しい。大変厳しい。

ストーリーで言えば村山聖の難病を描けてないのが一番辛くて、オープニングはただの酔っ払いにしか見えないし、子どもの入院エピソードだって「将棋が覚えられて良かったネ!」にしか思えなくて最悪。原作は確か難病で死にかけたところに唯一生きる術として見いだしたのが将棋、みたいなニュアンスだったと思うんだけど、そこが描けてるか描けていないかで「名人になって将棋をやめる」の重さが全然違ってくるよなあ。

みたいな文句はまあ普通にあるのだけれども普通すぎて別にどうでも良い。映画館で寝息が響くのもまあしゃーないと思うデキだった。

がが、俺がなんとも我慢ならないのは将棋に対するリスペクトの足り無さで、おれはどうも「うーん」となってしまう。いや羽生との最終局はNHK杯で書けないから逆算で「いっそフィクションにしよう」って判断はわからなくもないけどさー、そのために将棋界の羽生以外の棋士への描き方が軽んじられるのは見てて「うむむむ……」って感じだなあ。っつかオープニングの奨励会の鉄火場で発言させてしまうのもあり得ないと思うし、駒を扱う所作がいちいち「おいおいおい」って感じだし、将棋盤への距離が近すぎでアレレって感じだし。棋士がいかに理屈っぽいかとか、対局姿勢のひとつひとつにどんな意味を持たせてるか、をファンなりに見ているので、大味っぽくて大変辛い映画でした。