ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ブラック・スワン

 

バレエ映画は何か良くわかんないけどちょこちょこ観ているんだけど、なんかこの映画は観る機会を逃していた。『レスラー』とか超好きなんだけどね。

果たしてこの映画はどんなバレエを見せてくれるんだろう? と期待して再生を始めたら、まず最初の夢のシーンから圧倒。「おおーすげーなー今だから取れる画でバレエを撮ってる!」と感激した。

映画の中身もその期待にふさわしい内容で、食い入るように見入りました。ストーリーはすげーすげーオーソドックスで、主役に抜擢された人間の極限状態の精神をいかに描くかって話なんだけど、でもその描き方がすんげー巧み。序盤になんだかよくわからないけど不安なシーンをぽつぽつ入れて種を蒔いておいて、ドラッグというわかりやすいターニングポイントで現実と妄想を混在させ、それが舞台でのプレッシャーに形を変えて本番で炸裂するという……いや言葉にすると理にかなった捻りのない展開なのかもしれないけれど、それを白鳥の湖という皆が知ってる舞台のクライマックスへと逆算するようにストーリーを進めていく手管には、心から感服。

舞台だからこそ許される極端なライティングや、グルグルと回るカメラなんかも含めて、映画でしか取れない映像になっていて、こういう作品は本当に好きだなあ、と思いました。