ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

サカサマのパテマ

 

つらい。こんなにつらいアニメはなかなか見ないよなあと思いながら見終える。つらい。

そもそもこの作品を中心で支える「抱き合って空を飛ぶ」というアクションが全く魅力的に描けてないのが問題ではないのかなあ。ふたりは出会いのその瞬間からお互い手を繋ぎ抱き合うことを余儀なくされるわけで、その特殊な関係性が物語の中で生きているようには全く思えない。上と下で分かたれたふたりが結びつくことでそれまでに見えなかった世界の真実が明らかになる、という構造はもっと抽象的に描かれても良かったはずで、普通に管理社会に染まった男主人公と冒険大好き女主人公の対比を描くので良かったのではないの? 価値観の転倒、という点から言えば二重のどんでん返しは普通に予想の範囲内であるし、それで作品全体で語られていた価値観がひっくり返るわけでもないしなー。勧善懲悪があるべき構図に収まっただけ、というか……

あと普通にディテールに対しての説得力が薄く感じられてしまうのもどうかなあと思う。地底の生活からは匂いみたいなものが思いの外感じられなかったし、あの管理社会のわざとらしい描き方はいやまあそれを意図したんだろうけどやっぱり薄っぺらすぎて鼻白む。というか、あの世界の土の重力どうなってんの? そこら辺の細部が気になって気になってストーリーにのめり込むどころじゃないよなあ……最初にサカサマのパンを食わせた以上、そこをきちんと納得できるリアリティレベルでやらなきゃダメだと思った。