ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

愛、アムール

 

愛、アムール [DVD]

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いやーしんどいしんどいしんどい。突入をいきなり見せることで物語の先に待ち受ける死を提示しておいてから、そこに向かうまでの老夫婦の日常を描くとかマジでしんどい。もーね、クライマックスの長回しの緊張感なんてもう観てらんないでしょ……でもそのしんどさって老いとか人生とかの宿命で、しかし枕の周囲に落とされた花が美しくて本当に助かります。

しかしここまで部屋の中の映像に限った作品というのもなかなかないんじゃないかなー。それ以外のシーンって、冒頭の劇場くらい? 建物を出ず、また窓の外の視界さえ開けない閉塞感が、作品のトーンを地味に決定づけている感じ。ボーッと観ているだけでも、最後にはなんとなく部屋の間取りが頭の中に入っちゃうくらいしつこくしつこく家の中での出来事を描いている。

にしても大変水の音が印象的な映画だなー。流水ひとつで妻の異変を知らせる頭のほうのシーンも層だけど、夢の中のあの水溜まりだったり、窓の外で降りしきる雨だったり、そういうインパクトのある音が大変多かった気がする。

ジャケットも中心線で分断されているけれども、話し合うふたりの間に意図的に縦線のポールとか置いたシーンが多かったのも印象的だなー。

 

で、見直したら『ピアニスト』の監督なのかー。なるほどねー。