ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

秒速5センチメートル

 

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新海誠を見直そうシリーズに。

もうこれは簡単に言ってしまえば第3話の山崎まさよしOne more time, One more chance」のための壮大なミュージッククリップ素材探しの映画といってもいいのではないか。いやそのくらい最後のあの歌のシーンが決定的な働きをしていてバラバラに崩壊しそうな全体を圧倒的な強度で繋ぎ止めているというか。もしあの歌がなかったらこれ絵が綺麗なとりとめのない話だったかもしれないよね。ホントに。そういう意味ではかなりズルい。

けどまあズルかろうとなんだろうと映像として面白けりゃ勝ちで、登場人物のモノローグよりも更に一歩踏み込んで、より文脈のつけづらい楽曲をベースにこういうポエムを炸裂させるのは、大変よろしいし成立してると思う。

あえて残念だなあと思うシーンをあげるとすればそれは第2話種子島パートの強度の弱さかなあ。アレ中学生が豪雪の中北へと向かう第1話の徹底的に寂しいあのトーンに対抗できてない感じがすごくある。ロケットがスペシャルな何かとして印象に残るつくりにしなければならなかったのだと思うけれど、それが単に断絶の象徴としか感じられないというか……うーん、果たしてそれでいいのだろうか?

ってかさー、一緒にポテトで絵を描いちゃうステキエピソードにあの服の知的女子と種子島サーファー少女じゃ、いや、ちょっと設計の時点で無理があるんじゃないかなあ。いやそこにあえての不均衡をつくった場所だとは思う、思うんだけど、ね……