ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

人工知能は人間を超えるか

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人工知能の入門書としてスタンスをきちんと説明した後大変わかりやすく流れを整理しているのでとても読みやすい。ディープラーニングが具体的にどのようなブレイクスルーを起こしたのかが素人にも十分わかるように説明してある。
しかし読んでいてやはり屁理屈が述べたくなる。「物理的現象である以上脳が人工的に再現できないわけがない」というのは、現在人間が理解できている以上の物理現象以上の存在の「可能性」を否定した物言いだし、シンギュラリティを迎えたとき人工知能が何を考えるかを「人間の知能しか持てない作者が」仮説を立てているのもやはり人間の知能を過信しているように思う。
無論人間は自らの思考の枠組みを超えることができないのは当然であるから、人工知能という他者を通じて、改めて自身の枠組みを問い直す行為なのだろうなあ。

しかし根本に自我と知能の関係を考えてしまう。この本がそこを問題にしないという前提で書かれているのはわかるのだけれど、もし膨大なデータベースを通した反応と知能の間に分水嶺を引くとすれば、そこに「自我」を起きたい衝動に駆られる。