ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゼロ・グラビティ


冒頭の長回しは映画史に残るんじゃないか。画面の前で体が痺れて動かなくなってしまった。
カメラが高速移動する撮影というと「マトリックス」やら最近だと「マン・オブ・スティール」を思い出すけれども、無重力下で対象を回転させることで相対的にカメラを高速で動かした(ように見せる)ってのはコロンブスの卵だよなーと思った。何にせよ、宇宙服やら宇宙ステーションやら、3DCGに頼る比率が極端に大きいからこそできる表現なのかなあ、と思う。
ストーリーはあの少ないバリエーションの中で、以下にして困難を見せるかということで、最大限の効果を発揮していたと思う。例の奇想天外シークエンスでは、登場してすぐ「あーこれいかんやめろやめてお願い」と懇願してしまった。
とはいえこれ、わかりやすい家族とトラウマの話ではなくて、もう少し「人はなぜ宇宙に行くのか?」という部分を強調しても良かったんじゃないかなあ。まあ、すると主人公を男性にする必要があるのかもしれないけれども。やっぱり「自分の作業で仲間を殺してしまったトラウマとそれから立ち直るまでの物語」をこの短期間で男性視点で描くのが困難、っていうのもあるんだろうか。いやまあ若い女性を自分と引き替えに殺してしまったらエンタメ的には厳しいのもわかるしなあ……