ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

主人公は僕だった

それまで散々物語に殉じる態度で描き続けていた作家の翻意が全く描けて折らず、プロット上最も大事なところで失敗している。「人の生き死に」と「完璧な創作」を天秤にかけたところで、それでも「完璧な創作」を望むのが作家、というのがそもそもの作品がなげかける問いかけ。「完璧な創作」の作品内容を見せないということは、その内容は我々が想像しうる限りの「完璧さ」を備えているべきであり、それをひっくり返すには全く説得力が足りない。
簡単に言えばハリウッドのハッピーエンド至上主義に作家が負けた作品である。